ライトが滲む雨上がり
ガラスに揺れる街灯り
タクシーの列を横切って
黒いヒールが夜を鳴らす
ショーウィンドウの映り込み
お気に入りのグロスと横顔
誰かの視線を集めても
振り向くことはないままで
摩天楼のクイーン
月を映した窓辺に立つ
琥珀のグラスを傾けて
静かな夜を纏っている
摩天楼のクイーン
高層階のラウンジで
流れるジャズに身を預け
街の鼓動を眺めている
交差点を渡る風
香りだけが後を追う
言葉少なな仕草さえ
映画のように切り取られる
深夜零時の湾岸線
流れてゆくテールランプ
宝石みたいな街並みに
長い髪が溶けてゆく
摩天楼のクイーン
眠らない街の片隅で
光と影を引き連れて
静かに時を歩いてゆく
摩天楼のクイーン
朝を待たない星のように
誰のものにもならないまま
夜空を美しく彩る
薄明かりの最上階
白いカーテン揺れる部屋
遠くで始まる朝の色
まだ消えない夜の余韻
摩天楼のクイーン
ネオンが消えたその後も
窓に残った面影が
静かに街を照らしている
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