高齢社会探訪|フレイル予防の視点から
フレイルと聞くと、「筋力が落ちる」「歩けなくなる」といった身体の衰えを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、フレイルは身体だけを見ていては十分ではありません。
身体的な変化。
食べること、噛むこと、口腔機能の変化。
気持ちや意欲の変化。
そして、人とのつながりや社会参加の変化。
これらは別々に起きるのではなく、互いに影響し合っています。
例えば、人と会わなくなる。
会話が減る。
外出する理由がなくなる。
歩く機会が減る。
そうすると、身体を動かす機会も少しずつ減っていきます。
逆の流れも考えられます。
会いたい人がいる。
だから外へ出る。
歩く。
話す。
笑う。
そして、また会いたくなる。
フレイル予防というと、運動や筋力トレーニングに目が向きがちです。それらはもちろん重要です。
しかし私は、千代田区のフレイル予防講座を続けながら、改めて**「人とのつながり」もフレイルを考える重要な視点だ**と感じています。
身体の変化には時間がかかります。
一方で、気持ちは誰かの一言や一つの笑顔で、その瞬間に変わることがあります。
ただ、その気持ちも放っておけば薄れてしまう。
だからこそ、
また話したい。
また会いたい。
一緒に続けたい。
と思える人や場所があることが大切なのではないでしょうか。
そして、すぐにできることがあります。
自分のことを誰かに語ってみること。
そして、誰かの話を聴いてみること。
自分が歩んできた人生、仕事、家族、まちの記憶、失敗したこと、うれしかったこと。
特別な話でなくていい。
語る人がいて、聴く人がいる。
そして「あなたの話を聴きました」と受け止める。
そこから次の関係が始まります。
フレイル予防は、弱らないためだけのものではない。
これから誰と会いたいのか。
何を話したいのか。
何を一緒にやってみたいのか。
そんな問いから始めてもいいのだと思います。
今日の問いです。
あなたには、また会いたい人がいますか?