【第41回】海外駐在員の働きすぎを防ぐためには?(前編)
サンキャリア代表の田村です。
今回は、海外駐在員の働きすぎを防ぐための対策についてお話しします。
日本本社と現地法人の間での業務調整が駐在員に過剰な負担をかけることが多くあります。
効率的な連絡方法や計画的なスケジュール管理を通じて、駐在員が高いパフォーマンスを維持しつつ働ける環境を整えるためのポイントを解説します。
駐在員は“二足のわらじ”を履いている──本社と現地の間で増える業務量
海外駐在員は、日本本社との報告・調整業務と、現地法人での営業・マネジメント業務を同時に担っており、業務量は日本勤務時代と比べて格段に増加しています。加えて時差の影響で本社業務が定時後に集中し、翌日以降への業務持ち越しが発生するなど、駐在員特有の過重労働構造が形成されています。まずはこの実情を人事部が正確に把握することが出発点です。
突発的な依頼が駐在員のメンタルをむしばむ
日本本社が「時間のある時でいいから」と伝えたつもりの業務依頼も、駐在員には“即対応が必要”と受け取られてしまうケースが少なくありません。現地での営業やマネジメント、接待等でスケジュールが埋まる中、突発的な依頼が追い打ちをかけ、結果として深夜対応や慢性的な残業が常態化します。人事部は「伝え方」と「タイミング」に細心の注意を払う必要があります。
メール・チャットでの業務依頼とスケジュール共有が鍵
駐在員への業務依頼は、口頭や電話ではなく、メールやチャットなど“形に残る方法”で行うことが必須です。また、本社・駐在員間で月単位・週単位の業務スケジュールを共有・調整する体制を整えることで、双方の負荷やタスクの偏りを事前に把握できます。駐在員側からスケジュールを提出してもらい、それを本社側が整理・補足し、柔軟に更新していくことが理想です。
“突発的なこと”が起きる前に、すでに予兆はある
「海外だから突発的なことは仕方がない」という認識では、本質的な対応はできません。実際には、多くのトラブルには“前兆”があります。その兆しを本社と駐在員が察知できるように、普段からスケジュール・課題・現場の違和感を綿密に共有しておく必要があります。一体感ある計画的な対応こそが、駐在員の働きすぎを防ぎ、海外事業成功への道を切り拓きます。
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パーソナリティー:田村陽太
東京外国語大学外国語学部卒業。産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。
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