【第129回】なぜ日本企業の国際化対応は進まないのか?(前編)
今回のテーマは「なぜ日本企業の国際化対応は進まないのか?」について。
・背景と課題
・提言
次回は、日本企業が取るべき国際化対応について詳しくお話しします。
海外関連の労務管理に特化したサンキャリアでは、国際化対応のサポートも行っています。ぜひお気軽にご相談ください。
「海外進出=国際化対応」とは限らない現実
日本企業の看板が海外にあるという事実だけでは、本質的な国際化とは言えません。今回のテーマは「なぜ日本企業は海外企業と比べて海外との接点が少ないのか?」という点にあります。表面的な国際展開ではなく、日本企業の中でなぜ海外との経験値が広がらないのかという構造的な問題に着目します。
海外事業部は「専門職」扱い。だからこそ組織内で孤立する
多くの日本企業では、海外事業部という専門部署を作り、そこから選抜された社員を海外駐在員として派遣しています。駐在員は現地スタッフの採用やマネジメント、言語や経理対応まで多岐に渡る業務を担い、非常に高い専門性が求められます。そのため、他部署からの異動は難しく、「海外事業は特殊で限られた人がやるもの」という空気が根付いてしまうのです。
駐在員の帰任後キャリアが限られる現実
駐在員が帰任後に配属される先は、海外事業部や購買部、経営企画部など限られています。これは彼らの専門性ゆえの当然の帰結とも言えますが、一方で会社全体の中での影響力や昇進ルートが狭まっていることも意味します。海外事業の重要性が増しているにも関わらず、それを担ってきた人材が活かされにくい状況があります。
出世するのは「海外未経験のジェネラリスト」?
日本企業では、複数部署を経験してきた「ジェネラリスト型社員」が出世しやすい傾向にあります。そのため、海外経験豊富な社員よりも、国内業務中心の社員が経営層に登用されがちです。これは海外事業が全社にとって例外的な扱いになっている証拠でもあり、経営判断の際にも国内目線が優位になりやすい構造です。
これからの日本企業に必要なのは「海外経験者の活用」
国内市場の縮小が進む中、企業が持続的に成長するには、海外の市場やアイデアとどう向き合うかが鍵となります。駐在員経験者は、その貴重な知見を持ちながらも、十分に評価されないことが多く、それが日本企業の国際競争力の低下にもつながっています。彼らが経営層へ登用される仕組みを整えることが、日本企業の再活性化に直結すると筆者は考えています。
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パーソナリティー:田村陽太
東京外国語大学外国語学部卒業。産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。
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