【第213回】『労務管理Q&A~特定技能の外国人社員を雇用する際に注意すべき事とは?~➀』
サンキャリア代表の田村です。
今回は「特定技能」の在留資格を持つ外国人社員を雇用する際の注意点について解説します。
特定技能1号と2号の違いや、技能実習からの切り替えで気をつけるポイント、企業が抱えがちな課題と対策を詳しくお伝えします。
外国人雇用を検討中の企業担当者の皆様、ぜひご覧ください!
「特定技能」という在留資格とは?企業からの注目が高まる背景
最近、外国人雇用に関して「特定技能」という言葉を耳にする機会が増えています。企業からも「特定技能の外国人を雇いたいが、制度の概要や実務対応がよく分からない」という相談が多く寄せられています。これは、特定技能が比較的新しい在留資格であるため、導入ステップや留意点について明確な知識が企業側に浸透していないからです。特定技能制度は、慢性的な人手不足に対応するため、一定の技能や日本語能力を持つ外国人に対して特定産業での就労を認めた制度です。これから外国人材を活用しようとする企業にとっては、最初に制度の全体像を理解することが必要不可欠です。
「1号」と「2号」の違いとは?特定技能の基本構造を整理する
特定技能には「1号」と「2号」があり、それぞれ要件や在留条件が異なります。特定技能1号は在留期間が最長5年で、転職は同業種内に限られ、家族の帯同は不可です。日本語能力(N4相当)と技能試験の合格が必要です。一方、2号は永続的な就労が可能で、配偶者・子どもの帯同が認められますが、取得にはより高度な技能試験合格が求められ、ハードルは高めです。実際には企業側も本人側も2号の取得を目指すより、まずは1号での雇用を選ぶケースが圧倒的に多いのが現実です。実務上も、1号の方が雇用契約の柔軟性があり、企業側が採用のハードルを下げやすいという利点があります。
技能実習とは何が違う?採用の流れとマッチングの難しさに注意
技能実習と特定技能の大きな違いの一つは、「マッチング方法」です。技能実習では監理団体や現地の送り出し機関が企業との橋渡しをしてくれるため、企業側の労力は比較的少なくて済みます。一方、特定技能は企業が求職者と直接面談し、契約を交わす必要があり、採用に時間がかかるケースもあります。加えて、特定技能の人材はビジネスマナーや日本での生活経験が乏しい場合が多く、採用側としては日本での就労意識や適応力も見極める必要があります。採用決定がなかなか進まないという声も多いため、時間と労力をかけた丁寧なマッチングが必要です。
技能実習から特定技能への切り替え時に注意すべき契約面の対応
技能実習から特定技能への切り替えを行う際に多いのが「雇用契約を結び直していない」ケースです。技能実習と特定技能は制度の目的や労働条件が異なるため、雇用契約も再締結が必要です。特定技能の在留資格を取得するには、最新の雇用契約書が入管庁への申請に必要であり、かつ本人にとっても「制度が変わった=新たな働き方が始まる」という意識を持ってもらう重要な機会になります。実務上は賃金や労働条件が変わらないケースもありますが、書面を整備することでトラブルを未然に防ぐことができます。切り替えを円滑に進めるためにも、契約面の見直しは必ず実施しましょう。
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パーソナリティー:田村陽太
東京外国語大学外国語学部卒業。産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。
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