【第257回】『労務管理Q&A~「社員のやる気」を高めるためにどうすれば良いか?③~』
目標を立てたまま、放置されていませんか?
社員が「やる気を持って仕事に向かう職場」に変わるかどうかは、上司が“成長ストーリー”をどう描けるかにかかっています。
今回は“今”と“未来”をつなぐマネジメントのコツをお届けします。
OJTでは補えない「定期面談」の価値
日常のOJTだけでは伝えきれない社員へのフォローに、定期的な面談の場が有効です。業務上の指示やフィードバック(OJT)とは異なり、面談では「今の立ち位置」と「これからの目標」について、社員と丁寧に対話することが重要です。この対話を通じて、自分の役割や方向性を自覚した社員は、自発的な成長意欲を持つようになります。面談は単なる手続きで終わらせず、個々の成長支援の機会として活かすべきです。
「今の立ち位置」を多角的に把握する三つの視点
社員が自身の現状を正しく理解するには、三つの視点からのフィードバックが効果的です。
(1) 所属部署・役職内での立場と期待
(2) 会社全体における役割と行動規範との比較
(3) 個人の能力・志向と現在の働きぶりのギャップ
これらを踏まえることで、社員自身も“何を求められているか”がクリアになります。また、環境や組織の変化に応じて「立ち位置」は変化するものであり、定期的な確認が欠かせません。
未来像は「上司の視点」と「社員の視点」から描く
目標設定において大切なのは、上司の視点と社員本人の視点を両立させること。上司側は、会社のビジョンや組織全体の動向を踏まえつつ、その社員のキャリアや強みを理解した上で目標を描く必要があります。そのためには、他部署との交流や人事部門との連携がカギとなります。一方、社員には「相談」と「同意」のプロセスを経て、自分の責任として納得感のある目標を立ててもらうことが重要です。
目標設定は「立てて終わり」にしないことが肝心
せっかく立てた目標も、日常の業務と連動していなければ形骸化します。現実的で納得感のある目標は、定期的な振り返りと調整を行うことで初めて意味を持ちます。上司と社員が“共にコミットする目標”として日々意識し合うことで、行動の変化や成長への意欲が促されます。やる気を引き出す鍵は、目標を“動かす”ことにあります。
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パーソナリティー:田村陽太
東京外国語大学外国語学部卒業。産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。
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