「せはしくせはしく明滅しながらいかにもたしかにともりつづける因果交流電灯の…」
散瞳してのち検査機器に額と顎を固定しながら、心のなかを宮澤賢治の一節が去来する。
いやいや、ひとつの青い照明どころぢゃあない。なんの因果かまばたきも許されず、超超激しい光のフラッシュ!…光の明滅を見つめ続けるうちに、いかにもたしかに銀河の果てまでワープして異世界転生しちゃいそう。それにしても眩し過ぎる。目が乾いて痛い。ああ、これは光のゴーモン(眼底自発蛍光検査・細隙灯顕微鏡検査・精密眼底検査)…😭
他にも北極星を見ながらの流星群観測(ハンフリー視野検査)、色の本質を認識し一列に整え色自身を喜ばせる作業(色覚検査)、青い十字を見つめタテにヨコに照準を合わせるシューティングゲーム(光干渉断層計検査)、、、というやうな定例検査もなんとか遣りおおせた。
検査の最中に頭のなかでこのやうに呟き、それに対して自分にツッコミを入れる。あまりに永い検査人生(あるいは修羅の十億年)、それらも畢竟こゝろのひとつの風物と、日々、こんな心象や私自身の性質として第四次延長のなかで主張して居る次第である。
#全部眼科検査項目です
#春と修羅もどき
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#患者人生めっちゃ永いんすよ
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