認知症の理解には「中核症状」と「周辺症状(BPSD)」を分けて考える視点が重要です。
中核症状の代表が「記憶障害」と「見当識障害」ですが、この二つには明確な違いがあります。
記憶障害は、新しいことを覚えられなかったり、過去を思い出せなくなる症状です。
原因は主に海馬の萎縮で、ここは脳の「情報の倉庫」と呼ばれる場所です。
そのため「さっき食事したことを忘れる」「人の名前が覚えられない」といった現象が生じます。
一方で見当識障害は、「どこにいるのか」「誰と一緒か」「今がいつか」が分からなくなる状態です。
関係するのは頭頂葉・側頭葉・前頭葉で、空間認知や人の識別、時間感覚を司っています。
障害が進むと「家に帰りたい」と訴えたり、家族を「知らない人」と思い込んだり、昼夜逆転が起きたりします。
ま記憶障害は情報の記録の問題、見当識障害は自己と世界の関係づけの問題です。
両者を理解することで、介護現場の対応はより丁寧になり、尊厳を守るケアへとつながります。
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