1.応用行動分析学の貢献
【方法】
・個別のアセスメント
・行動の直接観察
【対象】
・発達障害児・者の不適応行動の減少
・適応行動の増加
(Beavers, Iwata, & Lerman, 2013; Woods, Miltenberger, & Carr, 2006)。
2.行動分析学が精神科臨床の領域で相対的に不足している理由
(Harvey, Luiselli, & Wong, 2009; Kohlenberg, Tsai, & Dougher, 1993; O’Donohue & Ferguson, 2006)
精神科臨床実践が行われる多くの場面のは精神科のクリニックや病院が多くなる。
・主にDSM-5 あるいはICD-10の類型診断に基づく治療が行われる
・医師による診断や治療のためのアセスメントでは対象者の症状についての訴え(言語報告)、あるいは標準化された質問紙尺度が使用される傾向
↓
個別の具体的な機能的アセスメントという視点は重要視されていない(Kanter, Callaghan, Landes, Busch, & Brown, 2004)。
例)2001~2005年のJournal of Applied Behavior Analysis (JABA)に投稿された効果検証研究(data-based article)のうち不眠や肥満を含めた精神疾患を扱った報告は全体の11%に とどまっている(Woods et al., 2006)。成人のみを抽出した場合には、 その割合はさらに低くなるだろう
日本でも応用行動分析学の実践や研究を掲載している「行動分析学研究」で精神科臨床領域の実践報告は3編(仁藤・奥田,2013; 仁藤・奥田,2016a; 瀬口,2020)
3.応用行動分析学の実践と研究を活用するための条件
以下の一連の作業を積み重ねること
・対象者の価値観を含めた上で、実践家の臨床的力量に基づいて、それまでに得られている研究のエビデンスを参照して、対象者のQOLの向上に繋がる行動の増加を目標とした介入を行うこと
・標的行動を繰り返し測定しシングルケースデザインに基づいて介入方法の効果検証を行う。
・得られた成果を公表する。
【参考文献】
仁藤・奥田・川上・岡本・山本(2021)精神科臨床における応用行動分析学の実践と研究, 行動分析学研究 第35巻 第2号
【ベストコメント】
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