高卒・学歴なし。
体力だけが武器。
22歳の彼が、なぜ今「幸せな働き方」を企業に教える存在になったのか?
1.「お前、元気そうだな」──
たった15分の面接が運命を変えた
高校卒業間際。
就職活動もせず、進路が決まらないまま焦る日々。
そんな時、友人の父親の紹介で出会った電気工事会社の社長。
「体を動かすのが好きか?」
「はい、それしかできません」
「よし、合格」
わずか15分。
歩いて2分の距離にある会社で、彼の職人人生が始まった。
2.東京ビッグサイト、幕張メッセ──
2〜3ヶ月に1回の休み?戦場のような現場
展示会の仮設電気工事。
スポットライトを設置し、コンセントを這わせ、1〜2日でブースを完成させる。
会期が終われば即日には撤去。
深夜から次の展示会の準備。
徹夜は月に何度も。
休みは2〜3ヶ月に1回。
「見て覚えろ」の世界で、気性の荒い職人たちと肩を並べ、見えない電気と格闘する日々。
給料は20万、30万──。
大学に行った同級生より稼いでいた。
でも、それが「幸せ」だったのか?
3.「このままでいいのか?」──
22歳、心も体もヘトヘトだった
月100〜200時間の残業。
体は悲鳴を上げ、心は疲弊していく。
職人たちも疲れきっている。
不平不満が飛び交い、職場の空気は重い。
転職したくても、学歴もスキルもない。
辞めたくても、次の仕事が見つかる保証もない。
「一体この先、どうしたらいいんだ…?」
希望の見えない日々の中で、彼は大きな決断を迫られていた。
4.そして今──「真逆」を生きる選択
あの地獄のような日々があったからこそ、彼は今こう語る。
「働きがい、やりがい、生きがい──
当時の僕には何もなかった。
だから今、真逆のことをやりたいと思ったんです」
現在、柳沼さんは「Well-being HR」という事業を立ち上げ、
企業に「幸せに働きながら、利益を上げる経営」を支援している。
かつて自分が苦しんだからこそ、伝えられることがある。
誰もが幸せに働ける社会を作りたい──
その想いが、今の彼を動かしている。
5.「もう、飛び出すしかなかった」—
後がない状態から始まった、人生の大逆転劇
あなたは、人生で何度「ゼロ」になったことがありますか?
多くの人は、一度もないかもしれません。
しかし、柳沼さんは違いました。
25歳までに、2度も会社を変わる経験をにし、 その度に、人生のすべてを失いかけた男。
電気工事の現場で朝から晩まで働き詰め。
深夜まで荷物を仕分けし、朝8時にまた出社。
「ウェルビーイング?
そんなもの、考える余裕すらなかった」
彼が経験したのは、ただ働くだけの人生。
やりがいも、未来への希望も見えない日々。
6.就職先も決めずに退職 —
「追い込まれた」からこその決断
電気工事会社で4年間、必死に働いた柳沼さん。
しかし、心の中のモヤモヤは募るばかり。
「今のままでは耐えられない」
相談できる人もほとんどいない中、 彼が選んだのは、就職先も決めずに会社を辞めるという危険な賭けでした。
普通なら、絶対にやってはいけない選択。
でも、それしか道がなかった。
7.祖母の家庭料理屋で運命の出会い
人生のどん底にいた柳沼さんに、一筋の光が差し込みます。
祖母が営む家庭料理屋の常連客。
その人が、偶然にも車の運転手を探していたのです。
「お前、仕事決めないで 辞めるなよ」
怒られながらも、その人の紹介で会った社長は、 柳沼さんの人生を変える存在になります。
お抱え運転手として1年間、毎日送り迎え。
そして、社長が独立を決意したとき—
「お前も、一緒に来ないか?」
仕事もない。行く場所もない。 だからこそ、彼は迷わず答えました。
「行きます」
8.4人から始まった会社が、
3年で売上10億円へ
倉庫を借りるところから、トラックの手配、営業活動— すべてがゼロからのスタート。
25歳の若さで、柳沼さんは**「0→1」の起業の現場**を体験します。
トラックの運転手でありながら、営業もこなし、マネジメントも担当。
部下は20人。アルバイトも含めれば、さらに多くの人を束ねる立場に。
会社は急成長を遂げ、 たった3年で従業員25人、年商10億円という驚異的な成長を実現。
「やっと、報われる」
そう思った矢先—
9.突然の撤退決定。すべてが水の泡に
3年半、必死に働き続けた柳沼さん。
しかし、ある日突然のトラブルが発生します。
経営方針の変更。
事業部ごと、撤退。
物流事業に関わる全員が、リストラ対象に。
「どうしようもなかった」
深夜まで働き、朝8時に出社する日々。
それを3年以上続けて、最後に残ったのは—
「人に人生を振り回される」という、無力感だけでした。
10.2度の挫折が教えてくれた、
本当の「働く意味」
電気工事会社での4年間。
物流会社での3年半。
合計7年半。
柳沼さんは「やりがい」を感じられない日々を過ごしてきました。
でも、だからこそ彼は気づいたのです。
「自分の人生は、自分でコントロールしなければならない」
そして今、彼は新たな挑戦を始めています。
どん底から這い上がった男の、リアルな人生ストーリー。
あなたの人生にも、必ず響くものがあるはずです。
最終回の第3話もお楽しみに!