イマジナリーカキフライにいたる病 第四話
私はいつものようにお昼ご飯をネットで注文した。私の心の中には、あのお姉さんの特別な想いが込められたからあげ弁当のことが強く残っていた。彼女が私のために、4個入りの弁当に5個のからあげを入れてくれることが、私の小さな幸せになっていたのだ。
その日、受け取りに行くと、いつものお姉さんではなく、見知らぬ店員さんが立っていた。私は一瞬、心がざわついた。「今日は4個であれ」と強く願う自分に気づき、驚いた。あのお姉さんだけが、私だけに、5個入れてくれる特別な存在であってほしいと願っていたのだ。
デスクに戻り、ドキドキしながらフタを開ける。目の前に広がったのは、4個のからあげ。心の中に温かいものが広がった。4個入りからあげ弁当に、からあげが4個入っていることが、なんだか嬉しかった。
私はその瞬間、あのお姉さんの優しさを思い出した。やはり彼女が私のために特別に5個入れてくれているのだ。だから、今日は4個なんだ。お姉さんの想いは、間違いなく私に届いているのだ。
その日、私はからあげを一口頬張りながら、心の中でお姉さんに感謝した。彼女の優しさは、数ではなく、私の心に深く刻まれている。これからも、あのお姉さんのからあげ弁当を楽しみにしながら、日々の小さな幸せを大切にしていこうと思った。
#イマジナリーカキフライにいたる病