イマジナリーカキフライにいたる病 第六話
気づけば、私はお弁当屋さんに通い詰めていた。あの特別な4個入りからあげ弁当を注文するのが私の日課だ。今日もズンドコしながらネットで注文を済ませ、心の中で「また5個入っているといいな」と期待を膨らませていた。
受け取りに行くとき、いつものように従業員用駐車場を通り抜ける。「車がないからお姉さんは休みか、今日はからあげ4個だな」と無意識に思い込んでいた。「車のナンバーはお姉さんの誕生日かな?だとしたらもうすぐだな。その日は特別に6個入りからあげ弁当を注文してみようかな。からあげが7個揃ってしまったら、私も限界突破してしまうかもしれない」などと考えているうちにお店に着くと、予想通りお姉さんはお休みで、いつもと違う店員さんから弁当を受け取る。
デスクに戻ってフタを開けた瞬間、目を疑った。からあげが5個、堂々と並んでいたのだ。「ありえない!」私の心臓が高鳴る。これが私の特別な4個入りからあげ弁当、私とあの店員さんとの特別な絆の証なのに、どうしていつもと違う店員さんが?その瞬間、私の中で何かが崩れ去った。
この特別な絆が、果たして本当に存在しているのか?それとも、私の思い込みだったのか?もう一度あの店員さんに会いに行こう。期待と不安が交錯する中、私は運命の瞬間を迎えようとしていた。
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