米メディア大手ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)を巡る買収劇が激化しています。先行したのはNetflixで、12月5日にWBDの映画・スタジオ部門とHBO Max等を約720億ドル(約11兆円)で買収する契約を締結しました。Netflixは『ハリー・ポッター』や『DC』などの強力なIPを取り込み、ストリーミング市場での覇権を確立する狙いですが、独占禁止法の懸念やクリエイターからの反発も招いています。これに対し、パラマウント(スカイダンス)は12月8日、WBDの全部門を対象とした1株30ドルの全額現金(総額約1084億ドル)による敵対的買収を提案しました。パラマウント側は、Netflix案よりも株主価値が高く、規制当局の承認も得やすいと主張し、オラクル創業者エリソン家の資金力を背景に攻勢を強めています。WBD取締役会はNetflix案を維持する姿勢ですが、巨額マネーと業界再編の行方に世界が注目しています。