00:00
-00:00

【注意】アメリカの心理職の養成と翻訳本の関係

6
1.アメリカの心理職養成 海外の心理職の養成は ①専門書テキストを読む ②大学のクラスで実際に患者・クライエントを担当する(理論と実践を同時に学ぶ) ③患者さんがセラピストを評価する ④セッションを録音して、必ずスーパーバイザーに録音を聞いてもらう。 ⑤クラスで皆にビデオを見せる など、無理にでも自分のセラピーを自分が客観視、同僚や先輩、スーパーバイザーに見て貰って助言を貰ったり、評価されたりすることから絶対に逃げることが出来ない。 2.読書による学びの危険性 日本に英語圏から輸入されている理論書、事例集、ハンドブックなどの名著でも、著者を知らないと落とし穴に落ちることがある。 【誰が書いているか問題】 ・翻訳されている専門書は業績がものをいうPh.Dであり、確実に新しいことを書かなければならない。→ 日本で翻訳されている本は誰のために書かれているのかをよく知っておかねばならない ・海外で専門書を読んでいるのはライセンスを持った専門家だけであり、素人が専門書を読むことはない。一方で日本では専門家でなくても専門書を読むことができる。 ・心理士にはアカデミックとクリニカルのトラックの人がいて、このアカデミック・トラックの専門家の書いている物は最新のものでなければ、出版されることはない。新しいからと言ってそれが良いものとは限らない。 ・一方、臨床現場では新しいことが行われているわけではないし、クリニカル・ トラックの専門家たちが現場で使っている本などはあまり日本語に訳されていない。分厚いので日本での売値がべらぼうに高くなる。クリニカルな専門家たちの中には臨床の達人たちがごまんといるが、本を書く暇などない。 ↓ 今一番流行っている、新しい方法が逆に臨床現場との乖離が大きくする可能性 【誰が読んでいるか問題】 ・米国などでライセンスを持った人だけが読む本が日本語に訳されて、一般書店に並んでいるが、アメリカではランセンスを持っている専門家は基礎スキルについて細かいことを改めて学ぶ必要はないので、執筆する本の中で基本について細かく説明しない。しかし現場では、本に書かれていないようなちょっとしたコミュニケーションの基本スキルが役に立つことが多い。 ・実際の臨床現場では新しいものばかり実施されているわけではなく、地味な作業の繰り返し、患者の話を一生懸命に聞く、の“当たり前”をしている。しかし日本では“当たり前”はあまり翻訳されない ↓ 米国の資格制度や訓練システムの理解なしで、翻訳本を読んで米国の実践を一般化してしまうと、現場とは全然違うことが沢山起こってしまう。 3.日本の出版事情 ・出版社からは必ず「分厚い本は止めて欲しい」と言われる。理由は権利を買うのが高いわりに儲からないから。 ↓ ・薄い本が訳される。 ・内容が良くても分厚い本はなかなか翻訳されない。 ・米国では精神療法の全部を見せていないということが多く、抜けのある中空構造になっている。 【参考】 堀越(2024)米国における心理士の実際, 武蔵野大学認知行動療法研究所 【ベストコメント】 1年ぶりくらいに来れました! #アメリカ #心理職 #博士 #臨床心理士 #公認心理師 #本 #翻訳 #専門書 #心理学 #臨床心理学 #日本
1日前
おすすめの放送
stand.fmの無料アプリでもっと便利に
Google Play Store
App Store
about stand.fm
放送が更新されたらプッシュでお知らせされるので最新の放送を聞き逃さない。
about stand.fm
バックグラウンド再生で他のアプリを使用しながら、放送やライブが聴ける。
about stand.fm
放送やライブ、コミュニティでコメントが送れて配信者とコミュニケーションができる。
about stand.fm
アプリだけでかんたんに音声を収録して投稿できて音声の編集もできる。
jasrac
JASRAC許諾番号
9024598002Y31016
9024598004Y31016
nextone
NexTone許諾番号
000006134
© 2025 stand.fm, Inc.