「日本の伝説 10 山の背くらべ 後編」
著者名:柳田國男
おはようございます、コオリです
743番目に選んだのは「日本の伝説」
いまでこそ、富士山は噴火によってあの形になったと大抵の人が知っていますが、噴火することを神の怒りと思い、溶岩が流れることを天変地異と思い、溶岩の跡の黒い地面を呪われたと思っていた時代の人々が山に人(神)格を与えてしまうのもよくわかります
さて、富士山のでき方、皆さんは知っていますか?
実は富士山のある場所はいくつもの火山があって、ある意味その山々が背比べをする過程で唯一富士山だけが高く成長できたのです
およそ20~10万年前、現在の富士山のやや北側に「小御岳(こみたけ)火山」が誕生、同時期に東側や南側にあった「愛鷹山(あしたかやま)」や「箱根山」も噴火し、その噴石や溶岩などの噴出物がその周りに積もりました、この時はまだ周りの山々と同じくらいだったといわれています
時は流れ、「小御岳火山」の中腹で噴煙が上がり「古富士火山」が誕生します、「古富士火山」は噴火を繰り返し「小御岳」の大部分を飲み込み、「愛鷹山」の半分も飲み込み高くそびえたつ山となります
そこからさらに数百回に及ぶ噴火とそれによる山の崩落が重なり、およそ1万年前から現在の「新富士火山」が成長をはじめ、噴火して周囲に噴出物が積もることで現在の円錐形の富士山になったそうです
現在も富士山は活火山なので、もしエベレストと背比べをしたら悔しくて噴火してしまうかもしれません
また次も聞いていただけると幸いです
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