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【私たちはどう生きるべきか?】デューイに学ぶ古い個人主義VS新しい個人主義

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1.「古い個人主義」と「失われた個人」の問題 ・『新旧個人主義』(1930) 産業社会の否定的側面 「外見上は企業化した、あるいは急速に企業化しつつある文明の発展は、個人の埋没(a submergence of the individual)を伴っている」 産業社会では共同体から解放され、私的な利益を追求する強い個人こそが称揚されるようにも思われるが、それは「古い個人主義」のモデルであり有効性を問われている。 ‐世界的な大恐慌によって古典的な自由主義は限界を迎えており、経済的な私利の追求を是とする「古い個人主義」も正当性を失いつつある。それにもかかわらず「古い個人主義」が延命・跋扈しており「個人の埋没」を招いている。 ・一部の経済的な成功者が有する特性(個性)ばかりがもてはやされる一方で、その他の大多数の大衆は没個性的な存在と見做され、個人としての力能を奪われている。しかも、そこでもてはやされている少数の特権的な人々の個性も、「実際には多数者と同様に自分自身の外部からの力に支配されており、実際にはこれらの力は、個性が抑圧されるほどに共通の型に押し込められている」[ION: 66]。 ・道徳的で知的な主体の欠如=「個人の埋没」 2.非人格化 ・「非人格化」=思考や感情といったきわめて個人的なものが同質化し、画一的になること ・アメリカの産業社会に顕著にみられる特徴 ①数量化(quantifi cation) ②機械化 (mechanization) ③標準化(standardization) 生産過程や社会システムだけでなく、人間の精神的な生活や人格にも影響を与えている。 ・人間の魂の「非人格化」の痕跡や兆候は、生の数値化であり、それにともなう質の無視。 ・その機械化であり、技術を手段ではなく目的とみなすほとんど普遍的な習慣であり、それによって有機的で知的な生は「合理化」され最終的には標準化される。 ・労働や消費、娯楽だけでなく、精神的な活動の次元にいたるまで生の数量化、機械化、標準化が進むということは人間の「非人格化」が生じていることの証 このことは「唯一の創造的な個性 である心の個性」の抑圧を意味している。 ・「差異や区別は無視され、拒否され、合意や類似性が理想で、個人や個性は集団における意味を失う。 3.デューイの提起 ・産業社会を可能にした技術や機械、それを支える科学的知見を受け入れつつ、その上で「新しい個人主義」を構想すること。 ・「たとえ既存の諸条件が企業時代と産業時代を構成する条件であったとしても」、「新しく、そして効果的な個性を含む理想は、既存の諸条件についての可能性から考え出されなければならない」 ・デューイは数量化・機械化・標準化という産業化の悪弊を批判しながらも、技術が「それ〔訳者補足:技術〕自体を超えて諸々の目的のために使われる」ならば、かつてなく大規模な「個性の解放」がもたらされるという可能性を支持する 【参考文献】 梶川(2023)測定の時代における「個性」概念の再考―ジョン・デューイの1920年代から1930年代の思想変遷を手がかりに,「教育学研究」第90巻 第1号 【ベストコメント】 ・ホントにリア充だったら、SNS使わなくても済むね ・メリークリスマスとはいえない人がいることを、世界は忘れているけど、私はしっかりと自覚していきます。 #デューイ #哲学 #教育 #個性 #個人 #心理学 #SNS #人格
11時間前
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