「イカ」。お寿司屋さんで少し恥ずかしそうにそう口にする先生の姿が、今も心に残っています。
「まばいか」。佐世保の言葉で「眩しい」という意味です。先生はまさにその人で、言葉や音の一つひとつが、静かに光を放っていました。音楽も言葉も、誰かに伝わって、再現されてこそ意味を持つ。だからこそ、強く押しすぎてはいけない。
「助長」という言葉があります。もとは、良かれと思って手を加えた結果、かえって成長を損なう、という戒めの言葉でした。言葉も音も、人との距離や空気を感じ取りながら、そっと添えるもの。眩しい記憶とともに、言葉の選び方の大切さを、あらためて考えさせられます。