「アイデアはたくさん出たけれど、結局どうまとめればいいかわからない……」
日々の仕事や会議で、そんなモヤモヤを抱えたことはありませんか?
膨大な情報の中に埋もれた「真の課題」や「新しい切り口」を見つけ出すために、日本が生んだ最強の思考ツールがあります。それが「KJ法」です。
今回は、カオスな状態から納得のいく答えを導き出す、KJ法の基本を解説します。
1. KJ法とは? 「分類」ではなく「統合」の手法
KJ法は、1960年代に文化人類学者の川喜田二郎(Kawakita Jiro)氏が、膨大なフィールドワークのデータをまとめるために考案した手法です。
この手法の最大の特徴は、単なる情報の整理(仕分け)で終わらない点にあります。バラバラの情報を組み合わせて眺めることで、「自分でも気づかなかった本質的な発見」を誘発できる、極めてクリエイティブなプロセスなのです。
2. 実践! KJ法 4つのステップ
KJ法は、以下の4ステップで進めます。一見シンプルですが、各工程に「発見」のヒントが隠されています。
① カード化(情報を書き出す)
1枚のカード(付箋)に、1つのアイデアや事実だけを書き出します。
コツ: 質より量を重視。「こんなこと書いてもいいのかな?」と迷うものほど、後で重要なスパイスになります。
② グルーピング(親和図の作成)
並べたカードを眺め、直感で「似ている」と感じるもの同士を2〜3枚の小さな束にまとめます。
表札(見出し)をつける: まとめた内容を一言で表すタイトルをつけます。
一人ぼっちを捨てない: どこにも属さないカードは、無理に混ぜず「離れ小島」として大切に残します。そこにこそ独自の視点が眠っているからです。
③ 図解化(関係性を可視化する)
グループ同士を配置し、矢印や記号で関係性を描きます。
因果関係(AだからBになる)
対立(AとBは矛盾する)
並列(AとBは同列)
これによって、情報の「構造」がパッと見てわかるようになります。
④ 叙述化(文章にまとめる)
図解をなぞるように、全体のストーリーを文章にします。
なぜ書くのか: 書いてみることで「論理の矛盾」に気づいたり、「つまり、こういうことだったのか!」という最終的なひらめきが生まれたりします。
3. なぜ今、KJ法が選ばれるのか?
情報の多い現代だからこそ、KJ法には3つの大きなメリットがあります。
客観的な視点: 自分の考えを「カード」として外に出すことで、思い込みから解放されます。
少数意見が死なない: 声の大きい人の意見だけでなく、すべての付箋が対等に扱われるため、意外なヒントが活かされます。
納得感のある合意形成: チームで付箋を動かすプロセスを共有すると、全員が「自分たちで導き出した答えだ」という共通認識を持てます。
4. デジタルで加速するKJ法
かつては広い机と模造紙が必要でしたが、今は便利なデジタルツールが豊富です。
Miro / FigJam: 無限のホワイトボードで、リモートでも共同作業が可能。
Notion / Trello: カード形式でのストックや管理に最適。
まとめ:情報のジグソーパズルを楽しもう
KJ法は、バラバラのピースを組み合わせて一枚の絵を完成させる「情報のジグソーパズル」です。
まずは身近な悩み事の整理や、チームのブレインストーミングから試してみませんか? 最後にパズルのピースがピタリとはまったとき、あなただけの「最高の発見」が待っているはずです。