【はじめに:推し活の「なぜ?」を科学する】
なぜ私たちは「推し」にこれほど心を動かされるのでしょうか? 本日の音声コンテンツでは、日経クロストレンドでのニッポン放送の吉田尚記アナウンサーと認知科学者の久保(川合)南海子教授(愛知淑徳大学)による 2回にわる対談をもとに、「推し活は消費活動にとどまらない、人間としての本能に近い営みである」という視点から、そのメカニズムと幸福論を深掘りしました。
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/01257/00001/
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/01257/00002/
【「推し」を生み出す心の仕組み:プロジェクション】
私たちが画面の向こうの存在やキャラクターに実在感を感じ、心を寄せる現象。久保教授はこれを認知科学の「プロジェクション(投射)」という概念で説明しています。物理的な世界に自分のイメージ(表象)を重ね合わせるこの心の働きは、サルには決してできない、人間ならではの高度な能力なのです。
【2. 推し活がもたらす「3つのウェルビーイング」】 音声の中では、推し活が私たちにもたらす3つの幸福について解説しています。
世界の拡張:推しをきっかけに語学を学んだり、聖地巡礼で旅行に出かけたりと、自分の世界が広がっていく楽しさ。
利他の幸福:見返りを求めず、自分の資源を他者に分け与えること自体に喜びを感じる、人間本来の幸福感。
第3の居場所(サードプレイス):家庭や職場とは異なり、好きな時にアクセスでき、しんどい時は断ち切れる、現代的な心の拠り所。
【「幸せ」と「推し疲れ」の分岐点】
一方で、推し活が苦しくなることもあります。その原因として語られるのが「バックプロジェクション(逆投射)」です。 推しのために「応援しなければならない」「貢がなければならない」という義務感が生まれ、現実生活の時間やお金を侵食し始めた時、それは「悪い推し活」へと変質してしまいます。
【さいごに:健全に推すためのヒント】
重要なのは「自発性」です。誰に求められたわけでもなく、誰に褒められるわけでもないけれど、自分が好きでやっているという「主体的な感覚」こそが、推し活をウェルビーイング(いきいきとした状態)に保つ鍵となります。
「最近、推し活に疲れてきたかも?」と感じる方や、「なぜこんなにハマっているのか言語化したい」という方に、ぜひ聴いていただきたい内容です。