第4シリーズでは、政治的な新しい一歩を踏み出す選択肢として、政治的・社会的活動を行っているNPOやNGOへの寄付を提案してきました。第4回では、immi labさんにフォーカスします。滋賀を拠点にブラジルの「移民ルーツ」のサポート・伴走などをしている団体です。日本においても、昨夏の選挙期間には「移民問題」の名の下に差別的言動が相次ぎました。実際、海外から日本にやってくる方は、背景も滞在期間も実にさまざまで、そこにはそれぞれの現実や文脈があります。草の根的な取り組みを行う団体への支援を通じて得られる情報や視野は、不安や苛立ちを煽る大きな言葉に対する「免疫」になるのではないでしょうか。
また代表の北川ペドロソさんは、中村・いなだの「女子校の先輩」です。進路や仕事の選択と「脱植民地化」について、3-2回でお話した「ガチる」ことと「降りる」ことを軸に考えました。
▲Immi lab (イミラボ @immilab_jp)
・滋賀を拠点にブラジルの「移民ルーツ」の若者たちの地域からの孤立を防いだり、進学や就職などのサポート・伴走などをしている。
※「移民ルーツ」という語用の理由は後述…
・寄付の他にボランティアやインターン(ポルトガル語を話せる方は特に!)、運営メンバーも募集中。
(最新の情報は公式サイトなどから!)
▲「移民問題」と差別
・中村:最近の「移民問題」「反グローバリズム」言説の、前提になってる世界観への強い問題意識
・いなだ:生活実感から来る不満・怒り:吸い上げるようなキーワード・スローガンが目につく。
→ そうした個別の不安・不満の原因や解決策等を、わかりやすい一言では説明できない構造がある。専門的に勉強することでたどり着く視座があるというジレンマ。
・中村:「多文化共生とか綺麗ごと」みたいな話こそ現実離れしている、と実感を持てる例に触れて欲しい…
▲滋賀県にいる「移民ルーツ」の方々の背景
・日本→ブラジルへ出稼ぎに移民した歴史
・工業化のため労働者が必要に:「日系人」を就労制限なしで呼び寄せた
・滋賀の製造業地帯に多くおられるブラジル系の労働者、地域と経済にも不可欠な存在
・その子供たち:ブラジル学校に通学、日本語能力の差、不十分な進路指導、地域からの孤立
▲活動内容:プロジェクト・ポンテに着目して
・メンタープログラム:大学進学の可能性に思い至ってない場合もある
・進路相談室のnoteを読むと…「僕らの進路談話室。東近江のブラジル学校から#15」
https://note.com/immi_lab/n/nb50345b33591
・不安というより無力感…「工場の仕事は2週間前ぐらい(会社による)からしか探せない」ことも。
・こんな「放置」されているのか?!
・いなだ:滋賀在住経験…甲賀などは工場の労働力で成り立っており、ブラジルルーツの人が多いと体感。
→地域統合、コミュニティの一員として大切にすることが重要。
▲北川ペドロソ実萌さん
・京都出身、二人の「女子校」の先輩→マサチューセッツ工科大学(MIT)工科大学機械工学部卒。
・参加型デザインと質的調査が専門。デザインストラテジストとして国際保健分野の仕事をされていた。
・ご自身がアメリカで「移民」として暮らした経験から、日本に帰り、地元近くの滋賀でイミラボを始める
→いわゆるトップスクールを出て専門を生かした国際的な活躍を経た、こういう進路選択に「ガチる」「降りる」(3-2回参照)との関係を感じる
・中村は2024年にInstagramライブでご本人とお話しした。興味がある方はアーカイブをご覧ください。
(国際開発や支援分野にも「西洋中心」性が残っている部分は大いにあるのかも…と感じるお話でした)
▲日本と「移民」、移動について
・日本「からの」移民は昔から今もいるのに、歴史も情報も少ない
→周縁化された歴史や今も残る問題に意識を向ける機会に
・「移民ルーツ」:場所を移り住むことがルーツに組み込まれている、という含意
→我々が学ぶもの、得るものも多い。留学・駐在・帯同etc.
・私たちが「外に出る」可能性も、(特権的とみなされがちな)留学や豊かな国・都市への駐在に限定されるものでもない。
・いなだ(最近引っ越した):国籍や言葉が同じでも「違うコミュニティ」に定着するときの戸惑いや分からなさを感じている
→移り住むこと自体に実感を伴いながら考えを深める機会にしたい
【番組公式Instagram】
https://www.instagram.com/gs_decolonize_2025
【プロフィール】
中村融子:アフリカ現代美術を起点に、美術の脱植民地化について研究する。現在は「陶芸」に軸を置き、美術と工芸の境界線と、文明・野蛮の概念、ジェンダーなどの交差について考えている。ベナンのアートシーン、フランスの陶産地、日本の陶産地がフィールド。博士(地域研究)。美術手帖『ブラックアート』特集共同監修など。
その他経歴はこちら: https://researchmap.jp/ottk128
Instagram: https://www.instagram.com/ottk128
いなだ易:中村の女子校の後輩。法律関係の職の傍ら、ジェンダーの観点から様々な媒体に寄稿する文筆家。同人サークル・てぱとら委員会として同人誌『いちいち言わないだけだよ。』『私たちの中学お受験フェミニズム』『推しカプ遍歴インタビュー』などを発行、いなだ易として『アイドルについて葛藤しながら考えてみた』(青弓社)『ユリイカ』 特集=ヤマシタトモコ、特集=ゆっきゅん(青土社)などに寄稿。
Twitter(X): https://x.com/penpenbros
かずね:中村の大学の後輩。オーボエを吹く。
【カバーアート】
大津萌乃さん
Instagram: https://www.instagram.com/ootsumoeno
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