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AI時代の実況準備。便利さと、最後に残る人間の責任

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スポーツ実況の準備は、この数年で大きく変わり始めています。 16歳で実況を始めたころは、インターネットもなく、選手データも十分ではありませんでした。資料がない中で、目の前で起きていることをどう言葉にするか。その積み重ねが、いまの実況の土台になっています。 一方で、現在は公式サイトやデータベース、過去の試合情報、選手プロフィールなど、インターネット上に多くの情報があります。さらにAIを使えば、選手の成績、直近の試合での活躍、フォーメーション、注目選手などを短時間で整理できるようになりました。 今回の配信では、フットサルFリーグ、なでしこリーグの実況を担当した経験をもとに、AIを実況準備にどう活用しているのかを話しています。Bリーグでは、選手の平均得点、リバウンド、アシスト、フリースロー成功率、キャリアハイ、シーズンハイなどを確認できる実況用アプリをAIと一緒に作り、実際の現場で活用しました。 ただし、AIは万能ではありません。ある試合の準備で、AIが「この選手とこの選手は大学時代の同級生です」と教えてくれたことがありました。実況で使えそうな魅力的なエピソードでしたが、確認してみると出身大学がまったく違っていました。 AIは資料集めを助けてくれます。けれど、その情報をそのまま信じて話すことはできません。実況席で言葉にする以上、最後に責任を持つのは人間です。 さらに、試合当日に初スタメンの選手が出てきたり、直前で構成を組み替えたり、画面表示と実際の交代選手が違っていたりすることもあります。そうした現場の揺れにどう対応するか。AIにはできない、人間の判断や確認の大切さも見えてきます。 AIを使えば、実況準備は楽になります。けれど、楽をするためだけではなく、より深く、より正確に試合を伝えるためにどう使うのか。 実況者35年目の視点から、AI時代のスポーツ実況、資料作り、そして「任せるところ」と「自分で確かめるところ」の境目について話しました。
5月24日
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