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#130 コニカ2000億円事業撤退。広報は何を伝えたのか?河原さんの人生物語②

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前回は、コニカミノルタが2000億円規模のフィルム・カメラ事業から撤退するという、大きな経営判断が下されたところまでお話ししました。 当然、社内は大きく揺れました。 怒り、悲しみ、不安……。 さまざまな感情が渦巻き、あちこちで軋轢が生まれていきます。 そんな中で、広報を担当していた説子さん。 「どうやって対応したんですか?」 そう聞くと、説子さんは、 「対応できる状況じゃなかった」 と振り返ります。 そんな時、できることは何だったのか。 説子さんがたどり着いたのは、意外にも「聞くこと」でした。 社員の声を、とにかく聞く。 そして、会社として何を発信するのかを考える。 でも、何を発信しても、 「会社のプロパガンダじゃないか」 「言っていることは嘘ばかりだ」 と受け取られてしまう。 そこで上司と相談して出した答えが、 「とにかく誠実にやる」 ということでした。 ネガティブな意見も含めて、社員からアンケートを取る。 そして、その一つひとつに対して、会社として答えられることをきちんと答える。 もちろん、 「答えられない質問が出てきたらどうするんだ」 という反対意見もありました。 それでも、逃げずに社員の声と向き合っていった。 その先には、社長や経営層が描いていた「その先の未来」がありました。 その未来を、丁寧に伝えていったのです。 ところが、ここでまた一つ問題がありました。 本社からの発信は、どうしても「会社側の説明」と受け取られてしまう。 そこで生まれたのが、 「コミュニケーション・コーディネーター」 という仕組みでした。 各職場から代表者を集め、なんと150人規模のネットワークをつくったんです。 ポイントは、 「本社の人間ではなく、隣の人から伝えてもらう」 ということ。 本社が何を言っても疑われる。 でも、自分の隣で働いている人が、 「会社はこういうことを考えているらしいよ」 と話してくれたら、少し聞いてみようと思える。 最初は、そのコーディネーターたち自身も半信半疑でした。 「職場の代表として来ているだけ」 そんな雰囲気だったそうです。 ところが、一日かけて対話を重ねるうちに、少しずつ理解が生まれていく。 そして、その理解をそれぞれの職場に持ち帰ってもらう。 この取り組みは、後に経団連推薦社内報審査で 表彰されるほどの成果につながりました。 そして、説子さんには忘れられない出来事があります。 第1回のコミュニケーション・コーディネーターの会が終わった時のこと。 ずっと半信半疑で見守っていた上司に、 「ありがとうございました」 と声をかけたところ、その上司が一言、 「コーディネーターは、こうでねぇと」 と言ったそうです。 ダジャレのようですが、説子さんにとっては最高の褒め言葉でした。 大きな成果だけではなく、たった一言の承認が、その人の背中を押すことがある。 そんなことを、このエピソードは教えてくれます。 そして、この経験をきっかけに、説子さんのキャリアはさらに広がっていきます。 広報から経営戦略室へ。 そこで経営戦略を体系的に学ぶため、イギリスの大学のオンラインMBAを取得。 その後は人事へ異動し、仕組みづくりに携わり、さらに働き方改革室の立ち上げにも関わっていきます。 部署の名前は変わっても、実は一つのテーマがずっと続いていました。 それは、 「組織の文化をどう変えていくか」 というテーマです。 そして、やがて説子さんは新たな挑戦へ踏み出します。 大手プロフェッショナルファーム、いわゆるビッグ4の一角にある会社へ転職することになったのです。 そこでは、4つの独立した事業ポートフォリオが、それぞれバラバラに動いていました。 法律上、一つの会社になることはできない。 でも、間接部門を一つに統合することで、連携を強化していこう。 そのプロジェクトに、説子さんの経験が求められたのです。 なぜ転職を決めたのか。 説子さんは、 「自分が経験してきたことは、すごく特殊だという意識があった。この経験をもっと伸ばして、世の中に貢献できないかと思った」 と話してくれました。 大きな経営統合。 大きな事業からの撤退。 そして、組織文化の変革。 普通なら、なかなか経験できないことです。 でも、その「特殊な経験」こそが、次のキャリアでは大きな価値になる。 人生って、面白いですよね。 その時は「大変だった」と思っていた経験が、何年か後には、自分にしかない強みになっている。 説子さんのキャリアは、まさにそのことを教えてくれます。 そして次回、第3話。 説子さんはプロフェッショナルファームの間接部門で、今度は「組織を一つにつなぐ」という仕事に挑戦します。 そこでも、順風満帆だったわけではありません。 迷い、悩み、思うようにいかないこともありました。 それでも、これまで積み重ねてきた経験が、思いもよらない形でつながっていきます。 「あの経験があったから、今の自分がある」 そう思える瞬間は、人生のどこに待っているのでしょうか。 次回は、説子さんが体験した「組織を変える仕事のリアル」に迫ります。 ぜひ、次回の「人生配信」も楽しみにしていてください。
5時間前
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