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最判昭61・9・11判時1215-125

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https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=62867 「本件営業譲渡契約は、その契約の実質的な目的及び内容等にかんがみるならば、Dが上告会社の発起人組合の代表者として設立中の上告会社のために会社の設立を停止条件としてした積極消極両財産を含む営業財産を取得する旨の契約であると認められるから、本件営業譲渡契約は、商法一六八条一項六号の定める財産引受に当たるものというべきである。そうすると、本件営業譲渡契約は、上告会社の原始定款に同号所定の事項が記載されているのでなければ、無効であり、しかも、同条項が無効と定めるのは、広く株主・債権者等の会社の利害関係人の保護を目的とするものであるから、本件営業譲渡契約は何人との関係においても常に無効であつて、設立後の上告会社が追認したとしても、あるいは上告会社が譲渡代金債務の一部を履行し、譲り受けた目的物について使用若しくは消費、収益、処分又は権利の行使などしたとしても、これによつて有効となりうるものではないと解すべきであるところ、原審の確定したところによると、右の所定事項は記載されていないというのであるから、本件営業譲渡契約は無効であつて、契約の当事者である上告会社は、特段の事情のない限り、右の無効をいつでも主張することができるものというべきである。」 「上告会社に本件営業譲渡契約の無効を主張することができない特段の事情があるかどうかについて検討するに、原審の確定した事実関係によれば、被上告会社は本件営業譲渡契約に基づく債務をすべて履行ずみであり、他方上告会社は右の履行について苦情を申し出たことがなく、また、上告会社は、本件営業譲渡契約が有効であることを前提に、被上告会社に対し本件営業譲渡契約に基づく自己の債務を承認し、その履行として譲渡代金の一部を弁済し、かつ、譲り受けた製品・原材料等を販売又は消費し、しかも、上告会社は、原始定款に所定事項の記載がないことを理由とする無効事由については契約後約九年、株主総会の承認手続を経由していないことを理由とする無効事由については契約後約二〇年を経て、初めて主張するに至つたものであり、両会社の株主・債権者等の会社の利害関係人が右の理由に基づき本件営業譲渡契約が無効であるなどとして問題にしたことは全くなかつた、というのであるから、上告会社が本件営業譲渡契約について商法一六八条一項六号又は二四五条一項一号の規定違反を理由にその無効を主張することは、法が本来予定した上告会社又は被上告会社の株主・債権者等の利害関係人の利益を保護するという意図に基づいたものとは認められず、右違反に籍口して、専ら、既に遅滞に陥つた本件営業譲渡契約に基づく自己の残債務の履行を拒むためのものであると認められ、信義則に反し許されないものといわなければならない。したがつて、上告会社が本件営業譲渡契約について商法の右各規定の違反を理由として無効を主張することは、これを許さない特段の事情がある」。 #判例 #会社法
5月30日
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