朗読配信した『春と修羅(mental sketch modified)』の妄想考察最終回です。
文を読みながら感じた事、それに関する賢治さんの知識をとにかく吐き出しているだけですが、少しでも読み解きのヒントになれば幸いです。
話し出したら長くなったので数回に区切ってお送りしていますが、今回がラスト!
詩の考察を終えた後に、追加で話した分になります。
春と修羅
(mental sketch modified)
心象のはひいろはがねから
あけびのつるはくもにからまり
のばらのやぶや腐植の湿地
いちめんのいちめんの諂曲てんごく模様
(正午の管楽くわんがくよりもしげく
琥珀のかけらがそそぐとき)
いかりのにがさまた青さ
四月の気層のひかりの底を
唾つばきし はぎしりゆききする
おれはひとりの修羅なのだ
(風景はなみだにゆすれ)
砕ける雲の眼路めぢをかぎり
れいろうの天の海には
聖玻璃せいはりの風が行き交ひ
ZYPRESSEN 春のいちれつ
くろぐろと光素エーテルを吸ひ
その暗い脚並からは
天山の雪の稜さへひかるのに
(かげろふの波と白い偏光)
まことのことばはうしなはれ
雲はちぎれてそらをとぶ
ああかがやきの四月の底を
はぎしり燃えてゆききする
おれはひとりの修羅なのだ
(玉髄の雲がながれて
どこで啼くその春の鳥)
日輪青くかげろへば
修羅は樹林に交響し
陥りくらむ天の椀から
黒い木の群落が延び
その枝はかなしくしげり
すべて二重の風景を
喪神の森の梢から
ひらめいてとびたつから
⬇️⬇️⬇️⬇️⬇️⬇️
(気層いよいよすみわたり
ひのきもしんと天に立つころ)
草地の黄金をすぎてくるもの
ことなくひとのかたちのもの
けらをまとひおれを見るその農夫
ほんたうにおれが見えるのか
まばゆい気圏の海のそこに
(かなしみは青々ふかく)
ZYPRESSEN しづかにゆすれ
鳥はまた青ぞらを截る
(まことのことばはここになく
修羅のなみだはつちにふる)
あたらしくそらに息つけば
ほの白く肺はちぢまり
(このからだそらのみぢんにちらばれ)
いてふのこずゑまたひかり
ZYPRESSEN いよいよ黒く
雲の火ばなは降りそそぐ
((一九二二、四、八))
朗読はこちら💁♀️
https://stand.fm/episodes/67f519c216b0e8d633214404
序文も併せてどうぞ💁♀️
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もなみさんの考察配信💁♀️
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郎女さんの考察配信💁♀️
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番組内使用音源
【BGM】
DOVA-SYNDROME
『Amazing surf』
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