1.臨死体験をするとどうなるのか
・無神論者がキリスト教の教会に通うようになる
・逆に特定の教会に通うことをやめる
・ニューエイジ―的な活動へ積極的に関わるようになる
・インド・仏教的な思想や瞑想への関与を深めるようになる
などさまざま。
※アメリカのキリスト教の臨死体験への反応も様々
2.ウィリアム・ジェイムズの仕事
・宗教的経験の本質的特徴とは何か、という課題に対して宗教心理学の立場から焦点を当てた。
・『宗教的経験の諸相』…宗教学の古典として今日まで広く知られている。米国において科学的心理学を確立したとされ、 科学的方法による宗教現象の心理学的解明に大きな意義をもつ。
・宗教現象に関する経験科学的なアプローチから、当事者の手記や証言を 「意識の事実」として宗教経験として扱い、 人間の最も高められた精神的活動を捉えようとした。
・宗教的経験の本質的な特徴を意識の「神秘的な状態」に見て、科学的に規定するための指標を示した上で、事例と考察を行った。
3.ジェイムズの神秘主義の4つの指標
Ⅰ. 言い表わしようがないということ
消極的な側面であり経験した人はその体験内容を 「言語化」 できない。他人に伝達不可能で、感応させることもできず、ただ直接的に経験しなくてはならない。「知的な状態よりもむしろ感情の状態」に似ている。
Ⅱ. 認識的性質 ( Ineffability)(Noetic first-rate)
感情の状態に似ているが、「知識の状態」でもあり「比量的な知性では量り知ることのできない真理の深みを洞察する状態」であり、 照明であり、 啓示である。「意義と重要さとに満ち…(中略)…権威の感じを伴う」
Ⅲ. 暫時性(Transiency)
非日常的で持続せず、 薄れ、 ふたたび日常の状態に戻ってしまう。しかし、再発するとそれと認められ、繰り返すたびに「内面的な豊かさと重大さ」がより強くなる
Ⅳ. 受動性(Passivity)
この状態は能動的に引き起こせるが、この意識状態になると、「まるで自分自身の意志が働くことをやめてしまったかのように」「まるで自分が、 ある高い力に掴まれ、 担われているかのように」 感じられる。その間の記憶がなく内的な生活に影響を及ぼさない。
例)予言や自動書記霊媒、 交替人格など
※ 厳密な意味での神秘的状態とは、その間の記憶が残り、重要な深い印象を残すため、一度起こるとその後の内面生活を規定するものとなる。
【参考】
丹羽(2020)死生観の現在―臨死体験現象への宗教学的接近, 東京外国語大学論集 第100号
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公認心理武士
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