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社交不安症の理解と対処法
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１．不安症（不安障害）
・以前は「神経症」と呼ばれていた疾患群
・不安は正常な感情のひとつだが，生来の気質（性格）や環境，ストレスなどの影響を受け持続的で強くなることがあり，それが日常生活に支障を来すようになった場合、「不安症」とされる。
・DSM-5では，パニック症，社交不安症，全般性不安症，恐怖症などが不安症に属する疾患となった。
2．社交不安症
【症状の特徴】
・他人の注視をあびるかも知れない状況（人前での会話，書字，飲食など）に対する恐れと，そのような状況で声や手の震え，顔の引きつり，赤面，発汗などのが起きることに対する恐れ。
・近年の大規模な疫学調査で3〜13％という高い生涯有病率
・桃体・海馬を中心とした情動を司る神経回路の機能障害が基盤と考えられている。
・赤面，動悸，震え，発汗，状況誘発性のパニック発作のような身体反応からはノルアドレナリンの過剰放出やセロトニン，GABAの調節障害が推定されている．
3．社交不安症の認知
・社交場面で「自分は変な奴だと思われる」という信念が発生 → 「赤面していて変だと思われているかも」という自動思考が発生 → （身体症状）赤面・発汗・足の震え ＋ （安全行動）人と目を合わせない，早めに切り上げるなどが起きる→「自分自身に注意が集中する」（自己イメージ・自己注目）が強固に → 自己注目が強まことで，さらに身体反応や不安が強まり，他者からの微笑みなどのポジティブなフィードバックに気付かないようなデメリットが発生
4．治療
【ガイドライン】
・SSRIやSNRI，ベンゾジアゼピンを用いた薬物療法＆認知行動療法を推奨
【不安神経症の認知行動療法】
手順：心理教育，ケースフォーミュレーション，介入
① 注意シフトトレーニング
5感（視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚）のどれかに集中する練習（例；視覚なら，部屋に存在するあらゆる色の種類を数える，壁，窓，服，髪，メガネなど，それぞれの色の濃淡，光と影，反射など視 覚情報に意識を集中）→ 体の内部と体の外部に交互に注意を向ける練習→ 社交状況で自分ではなく相手の情報に注意を向ける練習
② ビデオフィードバック
セッション内でスピーチ等の課題を行う様子をビデオで撮影し，自分が思っていた印象とビデオを観た時の印象を比較評価して認知を検討する．ビデオを見る前に自分がどのように映っているか思い浮かべてもらい（自己イメージの同定），赤面，手や声の震え，声が出なくなるなどの不安症状が，どのように映っているか（チークで塗ったように赤くなっている，目に見えて震えている，5秒間の沈黙があるなど）を話し合う．その上でビデオを視聴しあらためて自己イメージを評定し，予想したイメージとの違いについて検討し，認知を変えてゆく
③ 行動実験
社交場面で患者の持つ特定の予想（認知）を実験する。
患者は，安全行動や回避を続けてきたことにより，脅威的な結果が実際に起こるのか検証する機会を失っており，患者の信念を反証するための証拠を収集し，自分がありのままでも受け入れられるという気づきを得る。
例）「道を聞かれた人は，自分の顔をじろじろ見て自分を変な人だと思う」と思っている人は普段ならアイコンタクトを避けるなどの安全行動をとる。
そこに「歩いている人（通行人）に駅までの道を尋ねる」という課題を設定。患者は通行人の顔を見て、その視線が自分の顔に向くかどうかを観察する。→ 通行人は駅の方を見ながら道順を説明してくれた上に，Aの顔に視線を向けることはほとんどなかったという結果を得ることで，「通行人は，道を尋ねても顔を見ない，つまり変な人だと思わない」ということを学び信念を弱める
【参考文献】
中尾（2021）うつ病・不安症の理解と治療, 福岡医誌 112(１)：13―22
【ベストコメント】
「おちんぎんほしいよぉ！」＆「心洗ってきてください」
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7月6日
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