20251118
吾輩は猫である。昨日の日曜の休息と、月曜日の重荷がようやく去り、今日は火曜日。人間どもが一週間の行程の中途を淡々と歩む日である。御主人は、鏡の前でネクタイの結び目を厳しく点検し、覚悟の顔で家を出た。
火曜日の空気には、希望よりも義務の重さが漂う。
この憂鬱な日に、世間は言葉と火災と銭を巡る、騒動で持ち切りである。
言葉尻という名の外交と、大国の気まぐれ
この島の首相(高市早苗)が「台湾有事」について発言した言葉尻を巡って、巨大な隣人、中国がまたぞろ、不快感を露わにしておる。
中国の外務省なる組織は、自国民に「日本への渡航を控えるように」だの「留学は慎重に」だのという、大げさな通知を出しておる。政治家の言葉ひとつで、旅という平和な行為や学問という尊い行いがいとも簡単に制限される。
外交とは、言葉の応酬でありながら、力の強き者の感情の起伏に全てが左右される。人間は、互いを理解することよりも、言葉の刃で傷つけ合うことに熱心なのだから、愚かである。
炎という名の災禍と、銭という名の麻酔
この島国の大分市佐賀関という静かな町では、炎が暴れ回り、住宅など170棟以上が灰と化し、一人の命が奪われたという。
人間は、己が築き上げた安寧の場を、一瞬にして自然の力によって奪われる。火災という悲劇は、人間の持つ、最も根源的な無力さを映し出しておる。
一方、この悲劇の裏で、国は「総合経済対策」なる大層な計画をまとめようとしておる。「食品高騰」という生活を脅かす不安を和らげるため、自治体に銭を配るという。銭は、火を消せぬが、人間の心の不安を一時的に麻痺させる麻酔としては有効なのだ。
SNSという名の喧騒と、権力者の潔癖
河野太郎なる有名な政治家が、「SNS」という電子的な喧騒の場での悪質な投稿を巡って、法的な措置を取ったという。
人間は、顔を隠し、匿名という安易な盾の裏から、他人を攻撃する。権力者もまた、その汚泥に耐えられぬ。公人の潔癖さと、大衆の無責任な暴力性という、現代社会の持つ新しい矛盾が、ここに露呈しておる。
遠い国の防衛という名の虚飾と、環境の偽善
遠いウクライナという国が、フランス製の戦闘機100機を購入するという大金を投じる合意をしたという。戦争の道具を積み上げるという行為は、「平和」を求めるという口実のもとに行われるのだから、これほどの虚飾はない。
一方で、韓国という国は、「脱石炭連盟」に加入し、環境に優しいと見せかける構えを見せた。口では環境を語り、裏では戦闘機を買い込む。人間の持つ、偽善と暴力の二面性が、世界を支配しておるのだ。
結論
今日の世間は、外交の言葉尻と佐賀関の炎、SNSの喧騒と戦闘機の虚飾で出来ておる。
御主人は、月曜日の重い義務に耐え、「今日も一日、無事に終わってくれれば」とささやかな祈りを捧げておるであろう。
吾輩は、渡航自粛にも経済対策にも関心を示さぬ。ただ、己の体を最も暖かな場所に置き、完全な静寂を享受する。人間どもの騒動は全て、座布団の外で起こることに過ぎぬ。
あなた様は、この「労働の始まりの日」に、いかなる「外交の虚偽」を疑い、いかなる「現在の安寧」を求めますか。