今回の本は『日本語の謎を解く―最新言語学Q&A―』。
著者:橋本陽介
https://www.shinchosha.co.jp/book/603784/
7カ国語を自由に操る言語のプロが徹底解説する日本語の謎。
学校などで日本語に対して受ける質問をもとに、著者が答えているQ&A形式の本。
言語学的な話から日本語の起源、古文、現代日本語まで幅広いトピックが網羅されています。
母国語なのに難しい日本語の不思議を、いろんな角度から解き明かします。
【話すこと】
・日本語は母国語なのに難しい。表現も難しいし、合ってると思ってたけど間違ってることもある
・「は」と「が」の違い。「が」は主語、「は」はテーマを表す
・「は」と「が」を使い分ける言語は日本語と韓国語くらいしかないらしい
・「全然」は、実際に観察すると大半は否定の気持ちで使われている
・ただ、全然大丈夫、全然可愛いなど肯定で使われるようにもなってきているよね
・全然○○ないの否定の感情っぽいものが残っていて面白い
・頭痛が痛い。頭痛の「痛」は漢語だから「つう」を痛いと認識していない
・違和感を感じるは問題ない。違和感の「感」は感じるではなく違う感覚という意味
・頭痛が痛いはひどめの頭痛なんですよという意味
・言語は生き物。お互いの間で通じ合っていればそれは正解じゃない?
・日本人ファーストについて。ファースト以前に「日本」という国名が漢語で和語ではないっていう
・つまり外国語。第一も多分漢語。大和言葉だとひー・ふー・みーだよね
・外国語を取り入れてこそ日本語。フランス語や英語由来の言葉は最近増えてきている
・漢字は約3300年前の古代中国で使われていた甲骨文字が最初の形
・えなりの実体験。フランス人に日本語を教えると「また英語なの?」と言われる
・ある意味、一番多様性のある言語、柔軟性がすごい
・日本語は三人称だけど誰かの視点にすごく寄っている。虫の目の言語
・「かしら」は女性、「だろう」は男性。小説でも「誰々が喋った」が少ない
・英語やフランス語、中国語は「彼が言った」「ジェームズが言った」がないと分かりづらい
・著者も中国語訳の日本小説を読んで誰が喋っているのかわからなかった
・ヨーロッパは物事を客観的に見る神の視点を使う
・日本の方が主観。感覚の違いで翻訳者も間違えて誤訳になることがある。言語というか文化が溶けている気がする
・ちょっと脱線して、空耳ワードの翻訳の難しさについて
・翻訳は編集みたい。原文に忠実かエッセンスを伝えるか、どちらが尊重しているか
・アニメや映画は口が動いている時間の間にどうにかしないといけない
・いいものをいろんな人に伝えたい熱量がすごいよね。何かにめっちゃ一生懸命になるのはいい
一言
日本語は雑食の言語。外国語を吸収し続けて進化する柔軟性がある
#よもやま話 #本 #おすすめの本 #気づき #学び #ライター #podcast #新潮社