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快食ボイス769・ボクシングは野蛮か——スポーツが暴力を昇華する可能性について

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那須川天心さんの試合を見て、スポーツと戦争のことを考えた 今日、那須川天心さんの試合を見た。 5ヶ月前に初めての敗北を喫してから、彼がどれほど準備してきたか、試合を通じてそれがはっきりと伝わった。 相手のエストラーダ選手も、これまで積み上げてきた勝利の重みを持つ、本当に強いボクサーだった。 試合後に彼が引退を迎えるかもしれないという事実も含めて、勝者の努力も敗者の悲しみも、すべてが凝縮された場だった。 殴り合いだが、これは間違いなくスポーツだと思った。 --- ボクシングが「わかりやすい」理由 普段、ボクシングをそれほど熱心に見るわけではない。 ただ、井上尚弥さんにしても那須川天心さんにしても、トップレベルの試合はやはり別格だ。 競技の種類を問わず、本当のトップはすごい。 ただ、スポーツには「わかりやすさ」の差がある。 スケートボードは、正直なところ僕には技の難易度がよく判断できない。 でもボクシングは違う。 突き詰めれば人間同士の殴り合いという、ひどく原始的なスポーツだ。 だからこそわかりやすい。 ルールの説明をほとんど必要としない。 スポーツはルールが複雑になればなるほど、そのルールを読み解くゲームになっていく。 野球はその典型で、なぜ打者は必ず一塁方向へ走らなければならないのか、なぜボールではなく人間が動かなければならないのか——サッカーやラグビーとは根本的に異なる構造を持っている。 それはそれで面白いのだが、ボクシングのような原始性とはまったく別の楽しさだ。 原始的であればあるほど、スポーツの面白さは純粋になると思っている。 --- 一騎打ちという文化 話は少し飛ぶ。 少し前に、なぜ戦争が起きるのかという仕組みについて書いた。 「新書 世界現代史 なぜ「力こそ正義」はよみがえったのか」を読んで、深く考えさせられたという内容だ。 https://note.com/xiaohei/n/n075938b3428f その流れで今日も考えたのだが、戦争を何とかしようとするとき、スポーツは一つの手段たりえるのではないかということだ。 もちろん、スポーツが戦争の引き金になった事例もある。 単純な話ではない。 ただ、歴史を見ると、大量殺戮ではなく「一騎打ち」で勝敗を決しようとする文化は、日本に限らず世界各地に存在してきた。 「やあやあ我こそは」の一騎打ち。 アメリカ西部劇のガンマン同士の早撃ち。 野球のピッチャーとバッターの対決。 どれも本質は同じで、代表者が一対一で戦うことで集団の勝敗を決する、という発想だ。 ボクシングはその最も純粋な形だと思う。 --- 人の本性には逆らえない リベラリズムがこれだけ後退した理由の一つは、人間の本能を否定しすぎたからではないか——これも前回指摘した通りだ。 人間の暴力性を完全に否定し続けることは、おそらく無理だ。 本能に近いものだから、将来的にもゼロにはならないだろう。 特に男性においては「勝たなければならない」という感覚が本性として刷り込まれている部分がある。 自分の家族を守る、競争に勝つ——それは決してリベラリズムが望ましいとする方向ではないが、現実として多くの男性が持っている感覚だと思う。僕自身もそれはよくわかる。 人の本性には、逆らえない。 だとすれば、その本性をゼロにしようとするのではなく、ルールの中に収めることを考えるほうが現実的ではないか。 --- 殲滅戦ではなく、ルールある争いを 最近の国際情勢を見ていると、不安になることがある。 「あの国が将来攻撃してくるかもしれない」という論理で先制攻撃を正当化しようとする動きがある。 しかしその論理を突き詰めると、どの国も潜在的な脅威になりえるから、世界中を滅ぼすことになってしまう。 どこかでおかしくなっている。 お互いが相手を殲滅できるほどの兵器を持ってしまったなら、逆説的にそれは「使えない武器」になる。 だとすれば、ルールを決めてその中で争うという発想が生まれてもいいはずだ。 夢物語だとわかっている。 誰が代表するのか、体重差はどうするのか、山ほど問題がある。 現実的に実現するとは思っていない。 ただ、那須川天心さんの試合を見た後に、こういうことを考えてしまった。 殴り合いであっても、ルールと敬意の中で行われる戦いは、見る者の心を動かす。 勝者の努力も、敗者の悲しみも、ちゃんとそこに人間が透けて見える。 国と国の争いが、いつかそういうものになれたらいい。 --- 那須川天心さん、本当にいい試合でした。
3日前
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