オリジナル曲『ごめんの代わりに』を作りました。
怒鳴り声が怖かった。
本当は悲しかった。
でも「怖い」と言う代わりに、「ごめんね」が先に出てしまった。
そんな経験を持つ人は少なくないのかもしれません。
この曲の背景には、私が日頃の臨床で大切にしているいくつかの心理学の視点があります。
ポリヴェーガル理論では、人は危険を感じると「戦う(ファイト)」「逃げる(フライト)」だけでなく、「固まる(フリーズ)」という反応を示すことがあります。
さらにトラウマ研究では、相手に合わせることで安全を確保しようとする「フォーン(服従・迎合反応)」も知られています。
本当は傷ついているのに謝ってしまう。
自分が悪くない場面でも「ごめんなさい」が先に出てしまう。
それは性格の問題ではなく、その時を生き延びるために身につけた大切な適応だったのかもしれません。
また交流分析でいう「人生脚本」や、ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)の視点から見ると、私たちは知らないうちに身につけた生き方のパターンを抱えながら生きています。
この曲は、誰かを責めるための歌ではありません。
言えなかった気持ち。
閉じ込めてきた感情。
そして、
「私は悪くない」
と少しずつ自分の声を取り戻していく過程を歌いました。
もし過去の自分に一言届けるとしたら、どんな言葉をかけるでしょうか。
そんなことを思いながら聴いていただけたら嬉しいです。
「ごめんの代わりに」
[Verse 1]
怒鳴り声が
部屋の空気を変える
何も壊されていないのに
心が 張り裂けそうだ
「怖い」と言えたなら
夜は少し 短かったかな
でも唇が先に覚えたのは
「ごめんね」だった
[Pre-Chorus]
逃げるでもなく
戦うでもなく
ただ息をひそめて
消えないように
壊れないように
小さく 丸くなる
[Chorus]
ごめんの代わりに
そっと言いたかった
ほんとは私は
怖かったんだと
見えない傷も
ちゃんと痛いよ
硬直している身体も
ここにある
ほんとは今でも
うまく言えない
だけど消せない夜がある
愛と呼ばれていたものを
ちゃんと見つめて
[Verse 2]
「殴ってない」と
誰かが言っても
怯えた身体は
全部覚えてる
足音だけで
息を止めてた
あの日の私が
まだここにいる
帰ってくる音が
怖かった夜
置き去りの涙が
まだそこにある
[Pre-Chorus]
大きな声より
わかってほしかった
気づかないままなら
大切なものまで
遠ざけてしまう
[Chorus]
ごめんの代わりに
言ってほしかった
ほんとは君を
怖がらせたんだと
誰かに向けた
言葉じゃ足りない
あの日 震えて 泣いてた
私に届くように
終わらせるだけなら
また繰り返す
本当の気持ちを
閉じ込めたままで
責めるためじゃなく
変わるために
なかったことにしないで
[Bridge]
正しさも役割も
揺れる夜がある
崩れそうなら
隠さなくていい
消したことにはできないけど
終わりにもしたくない
それでも人は
やり直せる
[Final Chorus]
ごめんの代わりに
今日からは
「私は悪くない」と
言っていい
「怖がらせた」と
認めることが
ここから変わる
忘れることより
見つめる勇気
まだ震えていても
その痛みも
私だから
[Outro]
もう「ごめん」だけで
生き延びなくていい
心が心に戻るまで
ゆっくりでいい
ここから
やり直せる
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公認心理師/臨床発達心理士
かのうせいカイロプラクティック秦野整体院
齊藤弘治