ChatGPTとの音声会話
ChatGPTが会話モードを身につけた、というのを皆さんはご存知だろうか。
僕も早速使ってみた。
まだそんなにてきぱきと返事をしてくれるわけではなくて、現状ではもう少しという印象だ。
ただ、これがもう少し良くなれば、かなり便利になるはずだと思う。
こういうものは実際に聞いてみるのが早い。試しに、こんな質問を投げかけてみた。
広島県の若者人口がどんどん減って、流出しているという話があるけれど、君はなぜだと思うか、見解を聞かせてくれる?
AIが返してきた、広島論
返ってきた答えが、なかなか筋が通っていた。
若者の流出は一つの原因ではなく、いくつかの要因が重なって起きている。
就職先、大学進学。若い世代は出会いや刺激を求めて都市圏に目が向きやすい。
広島には住みやすさはあるけれど、「挑戦できる」という実感が都市部に比べると弱いのかもしれない——そんな見立てだった。
さらに、広島はこれまでものづくり中心だったから、新しい産業づくりや若手の起業家を育てるエコシステムづくりが少し遅れていた面はあるかもしれない。
でも今はリモートワークもAIも普及しつつあるから、逆にチャンスとも言える。
そうやって話を展開したうえで、最後にこちらへ問い返してきた。
「シャオヘイさんは、若者流出は仕事の問題が大きいと思う? それとも街の魅力や文化、コミュニティの問題の方が大きいと感じてる?」と。
壁打ちの相手として、口頭でこれができるというのは、すごく面白い。
Googleマップのボタンに、Geminiのアイコンがあった
驚きは、その日のうちにもう一度やってきた。
僕は車に乗るとき、知っている道でもGoogleマップで行き先を指定して案内してもらう。
その日、ナビのボタンのところに新しいボタンがついていて、その形がGeminiのアイコンと同じだった。
「もしかしてGeminiが使えるということか?」と思って押してみた。
僕の車は、iPhoneを登録してBluetoothで繋がっているので、車内のマイクとスピーカーに直接接続される仕組みになっている。
だからそのボタンを押すと、僕の喋った言葉がそのままGeminiに伝わり、Geminiの返事がスピーカーから聞こえてくる。
早速「君はこっちの道を案内しているけれど、あちらの道を通った場合とどれくらい違うの?」と尋ねてみた。
すると、今指示している道の方が四分早い、と今このタイミングでの数字を答えてくれた。
運転しながら喋るだけで、従来のナビにはできない芸当だ。
帰り道、コーヒーのお供を探してもらう
今日のランチは大外れだった。
まあ外れかもしれないと思いつつ、一か八かのチェックができるタイミングだったので、あえて選んだ店だ。
帰り道、自宅へのナビをかけたまま、Geminiを呼び出してこう言った。
「帰りにどこかでコーヒーのお供を買って帰りたいんだけど、おすすめのところある?」
すると二つの店を紹介してくれた。
近い方を選んで「その店のおすすめは何?」と聞くと、これとこれ、と教えてくれる。
そのうえで、経路までそちらに変更してくれた。
店に着いてこの話をしたら、店の人がめちゃくちゃ驚いていた。
車の中でGeminiと話していただけなのに、人気メニューまで把握して買いに来たのだから無理もない。
連携こそ、Geminiの強さだ
朝のChatGPTとの会話も面白かったが、このGoogleマップとGeminiの連携は次元が違う。
カレンダー、Gmail、Googleマップ——そうしたものとつなげられるのが、Geminiの強さだ。
いくらClaudeやChatGPTが優れていても、この連携という部分ではまだ及ばない。
将来的には、Geminiを踏み台にしてChatGPTに解説させる、といった各AIをまたいだ連携もできるようになると思う。
ただ今は、どの会社も独自路線で覇権を争っている最中だから、競合とのアライアンスを考えている場合ではないのだろう。
いずれ強いところが現れ、比較的弱いところが連携していく——そういう流れは、この先きっと出てくる。
ちなみに音声で話しかけて文章にする機能自体はGeminiもChatGPTもできる。
だが自然な言葉で音声を返してくるところまでは、Claudeはまだやっていない。
このあたりに、それぞれのAIの個性が出てきたのが面白い。
使っていない人間には、どうにもできない
これだけ変わってくると、使うのが楽しい。「AIはよくわからない」という人はたくさんいる。
でも、使って何ができるのかを自分の経験として落とし込んでいないと、いざAIで何かやろうというとき、使ったこともない人間にはどうにもできない。
Excelを電卓の代わり程度にしか理解していなければ、真に使いこなすことはできない。
実際にはもっと高度なことができるのに、それは使ってみないと身につかない。
AIもまったく同じだ。
細かなナビ設定も、これからは声で済む。
「ここまでは下道で、ここから高速に乗るつもりだから、そう設定してくれ」と口頭で言えばやってくれる。
広島高速は高いから、少し遠回りでも別のインターから乗りたい——そんな細かな希望を、指先での設定でやろうとすると面倒でなかなかできなかった。
それが喋るだけでいいなら話は別だ。
しかもリアルタイムで、最近は国道二号線の工事区間が広がり、これまで問題なく通れた道が今日は混んでいる、と迂回を勧められることが増えた。
僕もGoogleマップに自分の位置をリアルタイムで伝える設定にしている。
そういう人がたくさんいれば、今どこが渋滞しているかをAIは把握でき、別の経路を出せる。
自分が渋滞にはまっても、その情報が誰かの助けになっている。集合知の素晴らしいところだ。
朝はChatGPTとの会話に驚き、昼はGoogleマップとGeminiの連携に、再び驚いた一日だった。
これからもAIをどんどん面白がって使っていこう。