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快食ボイス842・そのうちAIにも、広告がやってくる

1,800円の授業料 家の電灯が切れた。 パナソニックのパルック プレミアX、どこの家にでもある、ごく普通のLEDだ。 昼ご飯を食べに出たついでに、近くの店で買って帰った。 会計のとき、思いのほか高かったので、そんなに高いもの買ったかな?とレシートを見たら、LEDが5,500円だった。 こんなにしたかな、と首をかしげながら帰って、念のためネットで調べてみると、ヨドバシカメラでは3,700円ほど。 差額は1,800円だった。 5,000円そこそこの製品で、1,800の差は大きい。 なぜ調べてから買わなかったのか、しばらく悔やんだ。 --- 染みついた癖は、ふとした拍子に出る 僕は昔からのネット通販派だ。 まだみんなが「怖い、怖い」と言っていた時代から使っていて、楽天が初期ユーザーにペンケースを無料で配ってくれたことがあり、それを今でも大切に使っている。 歯磨き粉のシュミテクトコンプリートワンも、ネットのほうが安いからそちらで買う。 常に2つはストックしている。 この電球も、以前はストックしていた。 それなのに今回はつい店に走った。 僕くらいの年代の人間は、子どもの頃から「店に行って何かを買う」という習慣が骨の髄まで染みついている。 これだけネットで買う癖のついた僕ですら、ふとした拍子にそれが出てくる。 1,800円の授業料だ。 すぐにヨドバシで一組注文しておいた。 家には同じ電灯が三組使われているので、次にどこかが切れても、買いに走らずに済む。 LEDは寿命が年単位で、前回の交換時の教訓を忘れてしまうのが厄介なところだ。 --- 高い買い物ほど、AIに聞く これからの買い物は、ネットで検索するだけでなく、高いものほどAIに相談する時代になると思う。 電灯くらいなら5,000円で済むが、10,000円、50,000円ともなれば、庶民はそう気軽には買えない。 思い切って買うときほど、AIと壁打ちする価値がある。 モニターを買ったときも、AIと長くやり取りして、思いもよらないメーカーを勧められた。 調べてみると、機能もサイズも、何より値段と性能の釣り合いも合理的で、今も満足して使っている。 コーヒーミルも同じだ。 豆で買うので毎日挽く。 ずっと候補だったタイムモアのブリックスは海外の製品で、円安が進むと次のロットから値上がりしそうだった。 だから在庫のあるうちに買った。 珈琲の味は格段に良くなった。 車なら、なおさらだろう。これまで性能を自分で比べるのは好きな人にしかできず、多くはデザインで決めるか、販売店のセールストークで決めていた。 AIに「こういう車が欲しい」と伝えれば、メーカーを横断してフラットに答えてくれる。 もしかすると中国のBYDが一番ニーズに合う、という結論だってありうる。 先日のNHKスペシャル「インサイド・トヨタ」は面白かった。 世界一のメーカーが、BYDやテスラを前にどれだけ危機感を抱えているかが、よく伝わってきた。 僕は県庁時代にマツダとの仕事もしていて、中の人を知っているぶん、余計に他人事とは思えなかった。 https://www.web.nhk/tv/an/special/pl/series-tep-2NY2QQLPM3/ep/7WP78VLKVV --- 作る側も、AIに聞けばいい 面白いのは、これが作り手の側にも効くことだ。 客がAIに「自分に最適な製品は」と尋ね続ければ、そのニーズが積み上がっていく。 だとすれば、作る側もAIに「こういう客はこの機能を望みますか」と聞けばいい。 アンケートを取るより、AIというフィルターを通したほうが、よほど的確な顧客像が返ってくる。 そうなると、世の中の8割が好むような「最適解オブ最適解」が作りやすくなる。 これまで日本の家電は、要りもしない機能を足してはボタンを増やし、使いにくく高くなる悪循環で凋落した。 そこにハイアールのようなシンプルな製品が侵食してきた。 「この機能、客は望んでいますか」とAIに聞いて「ごく一部のマニアだけです」と返ってくれば、作らなくなる。 車や家電、日用品は、7,8割がたマスの部分で集約が進むかもしれない。 残りのニッチや高性能なものは当然残るし、化粧品や食料品はもう少しばらけるだろうが。 --- そのうち、AIにも広告が来る ただ、話はここで終わらない。 かつて日用品は広告やCMで客に買わせるのが当たり前だった。 今もレストランの世界ではインフルエンサーマーケティングが生きているが、あれも結局は広告の一種だ。 要は、広告そのものが消えるわけではない。 みんながAIに聞いて買うようになれば、売りたい側は今度はそのAIに働きかける。 OpenAIやGoogleにスポンサー枠のような形でお金を払い、自社製品を優先的に紹介してもらう——そういう流れが必ず出てくる。 今はまだ、僕の知る限りないように思う。 だが次のiPhoneがGeminiを積めば、GoogleやAppleのサービスを優先的に返すようになるかもしれない。 イーロン・マスクのGrokなら、「あなたにはスターリンクが一番です」と言い出しても不思議はない。 おそらくこれは、AIの標準的な進化だ。 無料で使うなら広告を出す企業の製品が真っ先に出てきて、課金すれば完全にフラットな情報が返る。 NetflixやYouTubeが辿った道と同じで、AIがメディア化すれば当然そうなる。 かなりステルスに近い形だから、ステマ規制との関係も問われるはずだ。 だからこそ、今はいい時期なのだと思う。 AIを使って結構フラットに物を選べる。 この状態がいつまで続くかは分からない。 広告のうっとうしさが、AIの世界にもやってくる——そう考えると、少しうんざりするが、今のうちに壁打ちしておこうと思う。
1時間前
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