【第330回】『SNS時代における社員の情報発信と会社の情報管理をどう両立するか?』
SNS発信は自由でも、会社に所属する責任はあります。
機密情報や個人情報を守るために、会社が一方的に禁止するのではなくルールの明確化と教育、対話する事が必要です。
そして、社員自身が自分で判断できる状態を作ることが非常に大切です。
SNSが生活に欠かせないものとなり、誰もが自分の考えや日常を発信できる時代になりました。
個人の思想や表現の自由は大切です。一方で、会社に所属して働く以上、会社情報、取引先情報、他の社員の個人情報を守る責任もあります。
会社としては、社員の発信を一方的に禁止するのではなく、どこにリスクがあるのかを共有し、社員自身が判断できる状態を作ることが重要です。
1.就業規則や服務規律でルールを明確にする
まず大切なのは、会社としてのルールを明確にしておくことです。
社員のSNS発信について注意や指導を行う場合、就業規則や服務規律に根拠があるかが重要になります。
特に、会社の機密情報、取引先情報、個人情報の漏洩を防ぐための守秘義務は欠かせません。
また、会社名を書いていなくても、実名やプロフィール、業種、商品、社内の雰囲気などの断片情報から会社が特定される可能性があります。
だからこそ、会社は「何を発信してはいけないのか」を具体的に示す必要があります。
2.注意指導をする時は文書の残し方にも気をつける
問題のある投稿があった場合、会社として注意することは必要です。ただし、その伝え方には慎重さが求められます。
口頭だけでは「言った・言わない」になりやすいため、必要に応じて文書で残すことも大切です。
一方で、文書に具体的な投稿内容や社内事情を書きすぎると、その文書自体が外部に出るリスクもあります。
注意指導は相手を責めるためではなく、再発防止のために行うものです。どの行為が問題なのか、今後何を控えるべきか、会社としてなぜ注意するのかを、冷静に必要な範囲で記録することが重要です。
3.一方的な禁止ではなく、定期的な教育と対話を行う
SNSトラブルは、問題が起きてから注意するだけでは不十分です。
普段から研修や面談を通じて、SNS発信が会社や取引先に与える影響、個人情報や機密情報の考え方、断片情報から会社が特定されるリスクなどを伝えておく必要があります。
また、文書を配るだけでは理解したかどうかは分かりません。研修後に感想を書いてもらう、面談で本人の言葉で確認するなど、双方向の対話を行うことで、社員自身が納得して行動しやすくなります。
まとめ|SNS発信は自由だが、会社に所属する責任もある
社員のSNS発信を会社が何でも制限できるわけではありません。しかし、会社に所属する以上、守るべき情報があります。
大切なのは、
・就業規則や服務規律でルールを明確にすること
・注意指導の文書の残し方に配慮すること
・一方的な禁止ではなく、定期的な教育と対話を行うこと
この3つです。
SNS発信を完全に禁止するのではなく、リスクを共有し、社員自身が「これは発信してよい内容なのか」と考えられる状態を作ることが大切です。
サンキャリアとしても、個人の発信の自由と会社の情報管理が両立できるよう、就業規則の整備や社内教育の仕組みづくりを支援していきたいと考えています。
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パーソナリティー:田村陽太
社会保険労務士。株式会社サンキャリア代表。
東京外国語大学外国語学部卒業後、産業機械メーカーでの海外営業、社労士法人での勤務を経て独立。
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