1.三日坊主になる人の傾向「仮説構成概念」
①仮説構成概念による説明は循環論に陥る。
例)
A「この子は、いつも混乱しているのは~障害だからだ」
B「どうして~障害だといつも混乱するの?」
A「だって混乱するから~障害なんでしょう?」
※本当に障害による混乱なのかを検証していない
② 仮説構成概念を用いて従属変数を独立変数と誤って判断している可能性が高い。
A「お金がないのは龍の守り神がついていないからだよ」
B「龍の守り神がついていないなら仕事をしても仕方ないね」
2.三日坊主の解決策
三日坊主の解決策として応用行動分析学で用いられる介入「シングルケースデザイン」をご紹介
どのような結果であっても知見を得ることができる
① 標準的な介入や現在行われている介入をベースラインとして計測
② 環境変数を動かす(介入を実施し、技法を導入し、環境を整備し)
③ 行動の変化をモニターする
【ベースラインとは】
・介入をしない条件ではなく、通常行われる介入、その地域での一般的な介入、標準手続きを受ける条件のこと‐『通常の介入と比べた場合に、相対的にどのくらい大きいかを表す』・現在の日常環境の行動随伴性(定常状態A)を明らかにする → 介入により新たな行動随伴性(定常状態B)の効果を相対的に明らかにする
・多様性を除外せずに、現在ある状態を評定し、その通常手続きに追加して介入し、効果を分析する
・対象者や環境の多様な要因を排除せず、通常手続きと新しく工夫し開発した介入手続きを繰り返し効果的な介入条件を明らかにする
3.何もしてないのに改善
何も介入していないのに改善してしまうことがある。これを「リアクティビティ」と呼ぶ
【リアクティビティ】
・ベースラインの計測のみで、期待した効果(適切な行動の増加、不適切な行動の減少)が表れる
・対象者に、もともと適切な行動のレパートリーがあり、ベースラインを計測したことで効果を与えたと推定できる。
【効果がない場合】
標準的介入がそれなりの効果を持っていたということ。
→ その手続きをベースラインとして、それ以上の効果をもたらす介続きを開発し、新たな介入条件とすればよい。
【参考文献】
山本(2021)徹底的行動主義と応用行動分析学――ヒューマンサービスの科学・技術の共通プラットホーム, Japanese Journal of Behavior Analysis 2021, Vol. 35, No. 2
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