1.現代のシャーマニズム研究の特徴
・シャーマニズムの一般理論の構築(普遍性)というより、単一の文化伝統に焦点を置いた調査研究が増大
・個別の社会、文化に生起するシャーマニズムをセラピー=病気治療、政治、ジェンダー、国家といった個別のテーマと関連づける調査・研究が増加している
2.シャーマニズムの二つの流れ
①アトキンソンの「多元的な諸シャーマニズム」
・心理学化
・セラピー=癒し
・コンテクストの中のシャーマニズム
・シャーマニック・テキストとシャーマニック・パフォーマンス
②エリアーデ「ネオシャーマニズム」
・「エクスタシー=シャーマニズム」説
・憑霊現象、スピリット・ポゼッション=シャーマニズムを「擬似的なシャーマニズム」とみなす。(日本を含む東アジアのシャーマニズムを理解する上で適切ではない)
3.現代シャーマニズム研究への懸念(小松)
・シャーマニズムの一般理論を構築するという試みが放棄され、シャーマニズムの地域性や多様性を調査・研究するという現状は、シャーマニズムという「普遍的」な宗教現象を細分化しているにすぎないのではないのか
・人類学におけるシャーマニズム研究が退潮して、トランスパーソナル心理学やネオ・シャーマニズム論では、変性意識状態やエクスタシーへの関心が高まっている。
これらはエリアーデのシャーマニズム理論に依拠して、飛翔・脱魂型(エクスタシー型)のシャーマンを「真正のシャーマン」とみている。→ 「脱魂型シャーマニズムこそが真のシャーマニズム」
今後、憑霊型シャーマニズムの研究が周辺に追いやられるのではないか
※東アジア・東南アジアのシャーマニズムは憑霊型
・人類学者のシャーマニズム研究が総じて細分化の傾向
【参考文献】
杉井(2022)シャーマニズムとニューエイジ・スピリチュアリティ,駒澤大学『文化』第40号
【ベストコメント】
シャーマンキングっていうマンガもそんな感じかも。実は見たことないんですけどね。
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