1.【結論】飼い主とペットは“お互い様”の関係である。
・飼い主もペットによってシェイピングされていて、「制御する」「制御される」関係は相互的
例)ペットの反応を見て、芸や躾に役に立ちそうなことを精査している。
ペットではないけれど…話し手(書き手、送り手)と聞き手(読み手、受け手) …Skinner (1979)は、自らの自伝を「The shaping of a behaviorist」と名付け、研究者自身の行動も、 強化、弱化、消去にさらされて環境によるシェイピングの結果であるとした。
2.環境との相互作用
・人は時々刻々と生きて行動している限り、行動随伴性にさらされて、シェイピングを受ける
例)ペットがよく食べる餌を選ばされる飼い主、ペットが言うことを聞かないと叩く飼い主
・ペットは飼い主が設定した環境の行動随伴性の制御を受けているのと同時に、飼い主もペットの行動随伴性の制御を受けている。
例)「お手」と言われたら犬も手を出すけど、手を出す犬を見て飼い主はつい餌をあげたくなってしまう
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ペットの行動随伴性を明らかにしつつ、飼い主の行動随伴性を明らかにし、相互に強化を受け、双方とも適切な行動を維持する仕組みをつくることが必要。
例)散歩に行く時には首輪をつけて車道側を歩かせない
3.エキスパートへの敬意
・行動分析では「権威」 < 「データ」でも…
・実効性の高い実績を上げているエキスパートの意見には、定量データとして示されていない発展的知見が含まれている可能性がある。
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エキスパートの実績、行動、技法を「行動的に翻訳」 (behavioral translation)し、再現するなどの熟達化研究に発展させ、次の研究と実践を生み出す方略として活用。
(無意識に手なずけている方法を知っている人がいるかも)
【参考文献】 山本(2021)徹底的行動主義と応用行動分析学――ヒューマンサービスの科学・技術の共通プラットホーム, Japanese Journal of Behavior Analysis 2021, Vol. 35, No. 2
【ベストコメント賞】
小さな時なので、ある日、誰かに犬をあげられてしまいました…
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