1. 私たちがやりがちな間違い
「行動を『こころ』によって,『行動』を説明する」
例)勉強しないのはやる気がないからだ
現状を解釈し説明することが目的ではない点が,従来の心理学の考え方と大きな違い
2.行動分析学とは
「行動は,行動そのものの水準で計測し,その法則性を明らかにすべき」(Skinner 1904 ~1990)つまり…勉強はいつ頃の時間に何分頃する傾向があるのかを調べる
○行動の法則性を左右するもの
・「個人と環境との相互作用」
・「行動に及ぼす環境条件の効果の分析を徹底させる」
↓
環境の刺激を系統的に変化させ,それに対応して行動がどのように変化するかを計測
① 行動を定義…行動を計測しターゲット行動と計測手法を,計測する目的に応じて決める。例)個別的反応・反応分布・筋肉の動き・粗大運動など
② 計測…精度は高ければ高いほどよいというわけではない.
③ 制御
④ 問題を解決する…徹底的に行動に焦点を当てる「意識を高める」「意識革命」「こころのバリアフリー」を実現するには“どうしたらよいか”‐具体的な行動レベルへ
学問。別名「行動工学(behavioren gineering)」と呼ばれることも
3.工学領域との連携可能性
例)子どもの早期発達支援の実践現場で笑顔,視線,運動,心拍,呼吸などの計測により支援効果を客観的に把握し,即座につぎの支援につなげる
例)支援効果の実証…子どもの笑顔,他者を見る視線,適切な運動,握手などの社会行動など,ポジティブな行動に即座に反応を返してくれるディバイスがあると,子どもの学習と発達を促進することに役立てる
※ 即時的なフィードバックこそ,行動変容の条件
4.応用行動分析学(appliedbehav ior analysis)としての発展
対象:子どもから高齢者まで
① 社会的に価値のある目標設定
② 個人と環境の相互作用を分析
③ 問題解決
活躍する場面
・発達障害児の早期発達支援
・行動マネジメント
・行動コンサルテーション
・行動リハビリテーションなど
①発達支援:子育て支援,保育,発達臨床,地域支援
②教育:初等中等教育,大学教育,不登校,非行
③医療と福祉:過敏性腸症候群,うつ,広場恐怖
④看護:慢性疾患
⑤リハビリテーション:理学療法,作業療法,言語聴覚療法
⑥高齢者介護
など
【参考文献】
山本(2019)応用行動分析学における計測と制御,計測と制御 第58巻第6号
【ベストコメント賞】
ハンバーグこねるのでこの先耳だけで楽しみまーす。