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快食ボイス728・ワカメを刈り、笑い、分け合うという健全さ

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なんてことない一日が豊かだった話 今日はライトな話を書いてみたい。 普段は一つのテーマを掘り下げることが多いのだが、たまには肩の力を抜いた話もあってよいのではないかと思った。 学びや示唆を求める方もいるだろう。 しかし読者が「いい時間だった」と思ってくだされば、それもまた価値だ。 今日はそんな一日だった。 --- 朝市の熱気 少し前に友人から誘いがあった。 井口漁港のワカメオーナーになっているので、刈り取りに行かないかという。 面白そうなので快諾した。 その前に、ちょうど開催されていたひろしま朝市へ立ち寄った。 1,000回記念開催ということもあり、想像以上の人出だった。 小雨が降っていたが、傘など差せる状況ではない。 人の熱気が勝っていた。 僕が買ったのは二つだけ。 ひとつは広島菜の古漬け。 もうひとつは「とんがり帽子」という品種のキャベツだ。 三角錐のような形をした、小ぶりのキャベツだがスーパーにはほぼ並ばない。 産直市でしか出会えない品種だ。 15年くらい前に知り、見かけるとつい手に取ってしまう。 大量に買うのではなく、必要なものを少しというのが心地よい。 --- 3,000円で6キロのワカメ 朝市の後、井口漁港へ向かった。 ロープに植え付けられたワカメを、根元付近から切り落としていく。 バサバサと落ちるそれをトロ箱で受け取り、重さを量る。 刈った株が6キロ未満なら追加してくれる。 オーナーになるための料金は3000円だ。 今日は5人で行ったが、それでも分けきれない量だった。 1人1キロ以上になる。 正直、ワカメばかりそんなに食べられるものではない。 ワカメは食物繊維が豊富である。 大量に食べればお腹も緩くなるし、ヨウ素の過剰摂取も気になる。 だから少量を日常的に摂るのが良い。 つまり、味噌汁にワカメはとても理にかなっているのだ。 --- 茶色から鮮緑へ 獲れたてのワカメは茶色い。 それを洗い、さっと茹でると、一瞬で鮮やかな緑へ変わる。 あの変化は何度見ても面白い。 持ち帰った分は、洗ってから葉と茎に分けた。 葉はさっと茹でて水気を切り、ジップロックに入れて冷凍。 これで長く楽しめる。 今日はおいしくて、食べ過ぎた。 茎は佃煮にする予定だ。 こうした「処理の時間」も含めて体験である。 --- スポーツ仲間の気楽さ 今日一緒にいたのは、10年以上付き合いのあるスポーツ仲間たちだ。 キツいレースを共に走り、リレーマラソンをやり、汗を流してきた連中である。 そういう関係は妙に楽だ。 最近はなぜか周囲から気を遣われることが増えた。 「気難しい人カテゴリー」に入っているのかもしれない。 だがスポーツ仲間は違う。 普通に誘ってくれ、普通に笑う。 それが嬉しい。 --- お裾分けの循環 ワカメを分け合い、僕は家にあった和牛の切り落としをお返しに渡した。 こういう循環が好きだ。 超有名店で、トリュフやフォアグラ、ウニが乗った牛肉を食べる。 有名生産者のワインを開ける。 それも悪くないが、僕はあまりワクワクしない。 それよりも、地元の海でワカメを刈り、洗い、分け、笑いながら持ち帰る。 そういう営みのほうが、よほど豊かに感じる。 地に足がついている感覚。 暮らしがきちんと回っている実感。 それが僕にとっての贅沢だ。 --- 学びはないが、悪くない 今日は何かの学びがある話ではない。 しかし、こういう日があること自体が価値なのだと思う。 昔からの友人とくだらない話で笑い、またなと言って別れる。 家に帰って海の匂いのするワカメを処理する。 なんてことないが、健全だ。 今日はいい一日だった。 たまには、こんな話もいいのではないだろうか。
2月15日
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