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快食ボイス736・経験値と味覚──チョコレートを語る難しさ

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炎上するかもしれない話 今日は炎上するかもしれない話をしてみたい。 テーマはスイーツだ。 僕は、甘いものをあまり食べない。 ケーキが美味しい店はちゃんと美味しいと分かるし、レストランで出てくるデザートも理解はできる。 だが、自分からスイーツ専門店へ足を運ぶことはほとんどない。 特にケーキは、一個のボリュームが多すぎる。 --- 僕と甘いものの距離感 コーヒーを飲むとき、クッキーを一枚。 あるいはチョコレートを一つか二つ。 それで十分だ。 最近はデザートがセットに含まれている店も多いが、正直に言えば「別料金にしてほしい」と思う。 どうしても行っておきたい店であればもちろん食べるが、最後に「本当はそこまで食べたくない甘味」を食べることになる。 しかも最近は顔バレしているので、残すわけにもいかない。 単に甘いものを食べる習慣がないだけなのだが、気に入らなかったのかと思われると申し訳ない。 --- 味覚は経験値で決まる ただし、僕が甘味の味を「分からない」わけではないということだ。 とはいえ、経験値は圧倒的に足りていない。 物事はある程度の量と種類を経験しなければ、本質的な比較はできない。 音楽でいえば、10曲しか聴いていない人が「世界最高」と語るのは無理がある。 最低でも数千、数万というサンプルがあって初めて、評価軸は精緻になる。 スイーツも同じだ。 だから僕は自覚している。 甘味の世界において、僕は専門家ではない。 --- チョコレートは難しい そんな僕が、スイーツの中で最も好きなのはチョコレートだ。 ただし「少量」である。 美味しいチョコレートは、かなり難しい。 ここであえて言うが「ゴディバ」はそれほどおいしいだろうか。 もちろん不味いわけではない。 だが、昔より落ちていないかと感じることもある。 これはあくまで僕の主観であるし、そもそも自分で買って頻繁に食べているわけでもない。 直近で食べた範囲では再び食べたいとは感じなかった。 --- 呉市のボンボンショコラ ところが最近、久しぶりに「これは美味しい」と思うチョコレートに出会った。 呉市にある「スリーズ」のボンボンショコラだ。 https://www.instagram.com/sucreries_cerise/ 紅茶と焼き菓子の店らしく、チョコレート専門店ではないようだ。 おそらくバレンタイン向けの特別仕様だったのだろう。 外側のシェルの硬さと、中の柔らかなガナッシュ(あるいはプラリネ)のバランス。 ホワイト、ミルク、それぞれの素材の組み合わせ。 何より、甘さではなく「風味」が主役になっている。 完成度が高い。 料理として整っている。 これは久しぶりに感心した。 --- 甘さの文化差 ヨーロッパの菓子が甘いのには理由がある。 欧州料理は、日常の料理に砂糖を使わない文化圏が多い。 そのため、デザートでしっかり甘さを出す。 一方、日本料理はみりんや砂糖を日常的に用いる。 その結果、日本人は強い甘味を好まない傾向がある。 僕自身は料理にあまり砂糖を使わないが、それでも味覚はこの文化圏で形成されている。 だから欧州系のチョコレートは、どうしても強く甘く感じる。 スリーズのチョコレートは、日本的な繊細さがあった。 甘さは抑制され、フレーバーが立っていた。 僕の口に合った。 --- 分かっていない自覚 繰り返すが、僕は普段、甘味を食べない。 経験値が不十分だ。 だから「お前は分かっていない」と言われれば、それはそうかもしれない。 だが感想を述べること自体は許してほしい。 --- それでも、嬉しかった 1日か2日に1個。 そのくらいで十分。 だが、その一粒が本当に美味しければ、それは立派な体験になる。 今回のボンボンショコラは、まさにそれだった。 甘党ではない僕が、素直に「また食べたい」と思えた。 僕でもこういう感覚になることがあるのかと嬉しくなったのだ。
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