はじめに
今日は少し重たい話をしてみたい。
最近、世の中の空気が少しずつ悲観的な方向に動いているように感じている。
僕自身、飲食店の状況を例にしながら、これまで「厳しい時代が来るかもしれない」という話をしてきた。
ただ、これは単なる気分の問題ではない。
僕はどうしても、物事を最悪のケースから考える癖がある。
それには理由がある。
僕は役人として30年働いてきたからだ。
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役人は「最悪」を想定する仕事
役人という仕事は、基本的に楽観主義では務まらない。
何か問題が起きたときに考えるのは、
- 最悪の場合、何が起きるのか
- それにどう対応するのか
ということだ。
もし行政が楽観的に物事を考えてしまうと、何かが起きたときに「想定外」という言葉しか出てこなくなる。
しかし、社会の基盤を支える立場がそれでは困る。
だから役人は常に、最悪のケースを想定して備える。
もちろん限界はあるが、それでもできるだけ備える。
これは職業的な習い性のようなものだ。
僕は、この考え方は決して悪いものではないと思っている。
むしろ社会を安定させるためには必要な思考だ。
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本当に怖いのはエネルギー問題
最近、僕が一番気になっているのはエネルギーの問題だ。
数日前にも話したが、日本のような国にとって石油が不足することは非常に危険だ。
歴史を振り返るとよく分かる。
第二次世界大戦に日本が突き進んでいった背景にも、エネルギー不足があった。
石油を止められ、追い詰められた結果、勝てる見込みのない戦争に入っていった。
もちろん、今の日本が戦争をしているわけではない。
しかし状況として気になるのは、日本の最大の同盟国であるアメリカの動きだ。
かなり強引に動いているように見える。
これがエネルギー問題と結びつくと、状況は不安定になる。
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中東と西側では世界の見方が違う
さらに難しいのは、中東の人たちの価値観だ。
僕たち日本人やアメリカ人は、基本的に資本主義の価値観で世界を見ている。
経済合理性、損得、利益という尺度だ。
しかし、砂漠という過酷な環境で生きてきたイスラム社会では、世界の見方がかなり違う。
イスラム教の思想では、現世というのは魂の長い旅の途中に過ぎないとされる。
彼らにとって現世は「旅人が木陰で少し休む程度のもの」という程度の意味しかない。
だから死に対する考え方も大きく違う。
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殉教という考え方
イスラム教では、信仰や共同体のために命を落とすことを殉教(シャヒード)と呼ぶ。
これは普通の死とは違う。
むしろ永遠の命の始まりとされる。
つまり非常に名誉なことなのだ。
僕たちの感覚だと、問題のある人物を排除した、というような見方になるかもしれない。
しかし彼らの側から見れば、それは全く違う意味を持つ。
ここに大きな認識のギャップがある。
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トランプのディールが通じない理由
ここで問題になるのがアメリカの外交スタイルだ。
例えばドナルド・トランプは、政治をディール(取引)として考えるタイプの政治家だ。
しかし相手が宗教的な価値観で動いている場合、このやり方は成立しない。
トランプ側は、命とお金を交渉材料にする。
一方でイスラム側は、信仰と永遠を賭けている。
だから掛け金が全く釣り合っていない。
そもそも交渉の前提が違うので、話が噛み合わないのだ。
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日本の政策は少しズレている
では日本はどうしているか。
今行われているのは、ガソリン価格が上がったときに補助金を出す政策だ。
しかし僕が役人だったら、これはやらない。
本来の行政のやり方は、
- ガソリンは節約しましょう
- できるだけ使わない生活にしましょう
というメッセージを出すことだ。
補助金を出すと「これまで通り使っていいですよ」というメッセージになってしまう。
しかも補助金の原資は、結局は税金だ。
つまり僕たち自身のお金なのである。
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実は、日本はとてもラッキーだった
ここまで悲観的な話をしてきたが、少し歴史の視点で見てみたい。
実は日本は、戦後80年の間、かなり安定した時代を過ごしてきた。
1970年代のオイルショックはあったが、それ以降は大きなエネルギー危機は起きていない。
60年以上、大きなトラブルがなかった。
これは歴史的に見るとかなり珍しいことだ。
つまり僕たちは、非常にラッキーな時代を生きてきたとも言える。
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そろそろ試練が来てもおかしくない
戦前の世代は、もっと厳しい時代を生きていた。
- 戦争
- 貧困
- 食料不足
そういう経験をしている。
それに比べると、戦後の日本は本当に平和で豊かな時代だった。
だからもし今後大きな問題が起きたとしても、歴史的に見れば不思議ではない。
むしろ「そろそろ来てもおかしくない時期」とも言える。
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僕は覚悟を決めている
もちろん、そんな危機が来ないことを願っている。
ただ、もし来たとしても、個人ができることは多くない。
できることといえば、
- 節約する
- 財産を守る
- 生活を守る
そういうことくらいだ。
そして状況が回復するまで耐えるしかない。
歴史を見れば、こういうことは何度も起きている。
むしろ、これまでがラッキーだったのだと思う。
だから僕は、もし困難な時代が来ても乗り越える覚悟はしている。
もちろん、そんなことにならないのが一番いい。
本当にそう願っている。