楽しい文化史第6回、天平文化②です
仏像の素材について、飛鳥・白鳳とは傾向が異なります。
金銅像は東大寺大仏以外は非常に少ない、木像も少ない。
著名なものは、乾漆像か塑像です。
乾漆像は漆を接着剤的に使って布を重ねていく技法で、有名なものは興福寺の阿修羅像、東大寺法華堂の不空羂索観音像、唐招提寺の鑑真像など。塑像は土を塗り固めていく技法で、有名なのは、さっきの不空羂索観音像の脇侍の日光月光菩薩です
乾漆像は、高価な漆を大量に使うので、かなり費用がかかります。不空羂索観音像は3.6mもあるので、豪華すぎます。さすが律令国家という感じです。
金銅像がなぜ使われなくなったのか。巨大な東大寺大仏に大量の銅が使われたので銅が足りなかったという考え方もありますが、
不空羂索観音像も阿修羅も大仏造立より前に作られていてます。
まあ和同開珎など銅銭の鋳造もあり、銅は不足傾向だったとは思いますが、
それよりも、型に銅を流し込む金銅像や、木を削って作る木像よりも、土や漆を塗り重ねていく塑像や乾漆像のほうが、微調整がしやすく、より豊かな表現が可能ということが主なのでしょう。
写実的な表現が唐文化の特徴と言われていますし、乾漆像も塑像も唐から伝わった技法です
豪華と言えば正倉院宝物です
毎年、秋に行われている正倉院展にはぜひ行ってください。
宝物の主なものは聖武や皇后の日常品というのがすごい。
例えば遊具。双六盤には紫檀という香木が使われ、細かい細かい装飾がされていて、サイコロは象牙、サイコロを振る筒は紫檀、コマは水晶や琥珀です。囲碁セットもあって、碁盤は紫檀に線は象牙、碁石は象牙で赤・青に着色して、一つ一つ鳥の文様が描かれています。
そして、これらには使用した形跡があります!
聖武は文武の皇子で天武の直系、生まれた時から天皇となるべく育てられてきているので、こんな豪華な遊び道具を普通に使っている。庶民のように驚かない。買うわけじゃないから値段とか気にもしない。「本物の王者」の姿や感覚を、こういうところから想像するのが正倉院展の一つの楽しみ方です
律令国家は国際的危機感を背景に成立しました。実際には対外戦争はなく、予算は「鎮護国家」に投入されたというのが、天平文化の豪華さです。そんな仏教も、平安時代には傾向が変わっていきます
次回は平安初期文化、弘仁貞観文化です。
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