3ヶ月かけて丁寧に仕事をしたのに、最後に届いたのが請求書だけ——それ、いちばん記憶に残る瞬間を捨てているかもしれません。
今回のテーマは「ピークエンドの法則」。人は体験を"合計"でも"平均"でもなく、いちばん強く感じた瞬間(ピーク)と、終わりの瞬間(エンド)のほぼ2点だけで記憶する、という脳の性質です。
ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンたちの実験では、冷たい水に手を60秒つけるより、そのあとさらに30秒、水温をほんの1度だけ上げて延長したほうを、69%の人が「もう一度やるならこっち」と選びました。苦痛の総量は明らかに多いのに、です。
さらに驚くのが医療現場での話。大腸内視鏡検査を受けた患者682人のランダム化比較試験では、検査の最後に「痛みの少ない時間」をわずかに足しただけで、記憶される痛みが下がり、5年以上の追跡で再検査に戻ってきた人の割合が48%から53%に増えました。 苦痛を足したのに、評価が上がって、しかもまた来てくれたのです。
これはそのまま、あなたの商売にも当てはまります。番組では、実務に落とし込む3つのコツをお話ししています。
・コツ①:ピークを1つ、意図的に作る(全工程を均等に良くしようとしない) ・コツ②:「終わり」は納品じゃない(最後に届くのが請求書だけ、をやめる) ・コツ③:「終わり」は1回じゃない(失注・解約のときこそ丁寧に終わる)
今回は、ナビゲーターのヨシキが趣味で走っているトレイルランニングの話から入ります。同じレースでも、後半まで走り続けられたレースは「いいレース」として記憶に残り、途中で歩きが増えたレースは「失敗」になる。冷静に考えれば、後半まで走ったレースのほうが苦しかった総量は多いはずなのに——なぜそうなるのか。その答えが、そのまま経営のヒントになります。
お客様は、あなたが払った労力の総量を覚えていません。覚えているのは、いちばん良かった瞬間と、最後の瞬間だけです。裏を返せば、全部を完璧にやらなくていいということでもあります。
【パーソナリティ紹介】 ヨシキ(48歳) WEB制作・システム開発会社を経営する、キャリア20年以上のWEBマーケティングの専門家。YouTubeより早く動画共有サイトを立ち上げヒットさせた経験を持つ。 仕事の傍ら、トレイルランニングや家庭菜園に励み、7歳・3歳・0歳の3児の父として奮闘中。 「一人ひとりのビジョン実現が世の中を良くする」と信じ、その支援をミッションとしている。
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