【第2章・偏向報道という問題】同じ会見でも、切り取る一言が違えば、まったく別の印象になる——この回は、「偏向報道」という問題を、その仕組みから具体的に掘り下げます。
報道の見方、情報リテラシーを深めたい方、ニュースの受け取り方を見直したい方へ。
前回、「あなたが見ている情報は、世界の全部ではない」というお話をしました。
では、なぜそうなってしまうのか。既存の報道には、どうしても「切り取り」がつきまといます。
同じ出来事でも、どこを映し、どこを映さないか。
どんな見出しをつけるか。
笑顔の場面を選ぶか、険しい表情の一瞬を選ぶか。
使う写真たった1枚、放送する15秒の選び方——それだけで、受け手の印象はまるで変わってしまうのです。
照子が「偏っている」と感じるのは、まさにこの点。
あるニュースは連日大きく報じられ、別のニュースはなぜか小さくしか扱われない、あるいはまったく触れられない。
その取捨選択に、送り手の意図が透けて見えることがあるのです。
ただし、これは誰かを悪者にする話ではありません。
どんな報道にも編集は必要で、すべてを均等に伝えるのは不可能です。
限られた放送時間、限られた紙面の中で、何かを選べば、必ず何かがこぼれ落ちる。
それは悪意ではなく、仕組みの問題であり、報道という仕事の宿命でもあります。
だから照子は「メディアはけしからん」と責めたいわけではありません。
それでも、受け手である照子たちが「これは誰かの選んだ一面にすぎない」と知っておくこと。
これはとても大切です。1つのニュースを見たら「では、報じられていないことは何だろう」と想像してみる。
それだけで、情報の世界はぐっと立体的に見えてきます。
料理でいえば、盛りつけられた一皿だけを見て「これが店の全部だ」と決めつけないこと。厨房には、まだたくさんの材料があるのですから。
気になるニュースとの健やかな距離感を、一緒に考えましょう。
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