「日本の食料自給率は37%しかない」。
学校の授業でもニュースでも刷り込まれてきたこの数字、実は大きなからくりがあります。
今回は、この37%という数字が「カロリーベース」という、世界でも採用国が少数派の特殊な計算方法で出されていることを解説します。
輸入した飼料で育てた国産牛肉まで「輸入」扱いになるこの計算方法に対し、「生産額ベース」で計算すると、日本の食料自給率は実に60%を超える水準にまで跳ね上がります。
同じ「自給率」という言葉なのに、計算方法1つでこれほど印象が変わってしまう数字のマジックの正体と、なぜカロリーベースの数字ばかりが教育やニュースの現場で使われ続けているのかという背景を、一次資料に基づいて丁寧に解き明かします。
自給率が分母と分子の割り算で決まるため、輸入減少による国内消費の縮小だけでも数字が上がって見える仕組みにも触れます。
カナダやオーストラリア、アメリカ、フランスなど農業大国が200%を超える数字を出す一方、人口密度が高く農地の限られる日本を同じ物差しで比べること自体に無理があることも解説します。
もちろん、飼料や肥料の多くを輸入に頼っているという弱点は事実として存在し、そこは隠しません。
危機感をあおる報道の裏にある「どの数字を選ぶか」という手口は、次回お話しする「世界一」という言葉のワナにもそのままつながっていきます。
マスコミの伝え方に疑問を持ち始めたあなたに、照子がお届けします。
食料自給率、カロリーベース、食の安全保障というテーマに関心のある方に向けて、日本の農業ニュースの裏側を数字で解説する回です。
「日本の食は本当に危険なのか」という疑問にお答えします。
「自給率が上がった・下がった」というニュースを見るときは、生産量の変化なのか消費量や輸入量の変化なのかを確認する視点も身につきます。
自給率を上げなければならないという政策的なメッセージを伝えるうえで、より低く出る数字のほうが危機感を演出しやすいという事情にも触れます。
危機感をあおること自体が悪いわけではなく、その数字の性質を正しく理解することが大切だという視点でお届けします。
農地面積の制約という日本特有の事情も踏まえたうえで、それでも生産額ベースで見た自給率は決して見劣りしない水準であることを、あらためて強調してお届けします。
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