復習三項随伴性
「行動分析の単位」
A:先行刺激antecedent stimulus…行動に先立ち,行動のきっかけになる環境刺激
B:行動behavior …Aによって引き出された行動
C:後続刺激consequent stimulus…行動の結果としての『環境刺激の変化』。結果Cは先だつ行動Bを「増やす」「減らす」 といういずれかの働き(機能)をもつ。
オペラント行動とは
・行動することによって起きる結果後続刺激Cによって直接的な影響を受ける行動
・環境に対して働きかけ、働きかけによってまた環境が変わる相互作用を指す。
1.会話は行動です
先行刺激A:「言語理解」:話し手(送り手)が言う
行動B:対応した行動をする(聞き手)
会話は適切な行動を増やしたり減らしたりする
会話における強化と弱化と消去
・「強化」行動が増えていく…後続刺激によって行動が増えていく。行動を増やす働きをする後続刺激を「強化刺激」。行動を減らす働きをする後続刺激を「嫌悪刺激」
・「弱化」行動が減っていく…後続刺激により行動が減っていく。
・「消去」…行動に対する応答がない場合にも,その行動は減っていく「消去」という
2.あなたの話し相手(内言と外言)
外言…話し手が自分、聞き手が他者の場合、反応トポグラフィとして十分な大きさの音
内言…話し手も聞き手も自分.「思考」:考えをまとめたり,計画を立てるときに,自分自身に対して小さい声だったり無言で語りかけるため声が外に出ない。
会話を通して行われる行動
・「記憶」:刺激が提示されてから時間遅延がかかった上での反応である再認や再生など
・「アドヒアレンス」:ヒューマンサービスで他者の指示に従う
・「自己管理」:自分自身の行動の変化をチェックリストやグラフに書き,それらを手がかりとする
3.会話で適切な行動を増やしたり減らしたりする方法
【適切な行動を増やすためにできること】
ある行動をしたときにほめられると,その行動は増える。また,ある行動をしたときに自分の身体の状態が改善したり,対人関係が楽しくなる
※ヒューマンサービスの基本
【不適切な行動を減らすこと】
不適切な行動をしていても,環境からの応答がない(消去される)
例)授業中に子どもが大きな声で唐突に話し始めたとき…最小限の注目と注意しかしない、徐々に減らしていく
『不適切な行動に対応しないこと』+『強化刺激によって適切な行動を増やす』→ 行動改善
【良いことをしたのにそれが減る理由】
①適切な行動が減る
適切な行動に適切な応答を可能な限りすぐにフィードバックを返すようにする
適切な行動に「消去」の原理が働かないように
②不適切な行動が増える
不適切な行動をすると…だれかが取り合ってくれる、自分にとって都合のよいことが起こる(正の強化)。不適切な行動をして嫌な状況や苦痛を伴う場面を回避(負の強化)
例)登校渋りの子が「頭が痛い(気がする,実体がない)」と訴えたとき,休ませ(負の強化)て家の中で好きなことをさせたりする(正の強化)と,その登校しぶり行動が増えていく可能性が高まる
【参考文献】
山本(2019)応用行動分析学における計測と制御,計測と制御 第58巻第6号
【ベストコメント賞】
学生時代からの友人が、ある日、ブラックコーヒーを飲みながら「ケーキの甘さで飲む」と言ったのを聞いた時、甘いカフェオレ好きな私は取のこされた気分でした
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