今回取り上げる本は『日本語という外国語』です。
https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000210499
著者:荒川 洋平
日本語教育の専門家による、外国人の視点から日本語を捉え直す一冊。
「日本人のための日本語再入門」として、普段当たり前に使っている日本語の特徴や難しさを再発見できると思います。
【話すこと】
・えなりがユーロ圏で日本語教師をやるために読んだ実用的な一冊
・日本語教師に大事なこと:当たり前を説明可能にする。私たちは文法を意識せずに使っている
・外国人向けの文法は日本人が習う文法と違う:形容動詞→な形容詞、連体形→ます形など覚えやすい名前に
・日本語は語彙が圧倒的に多い:理解語彙4-5万語、使用語彙1万語。フランス語の使用語彙は5000語以下
・1000語覚えた時の日常会話カバー率:英語80%、フランス語83%、日本語60%
・語彙の少ない言語は比喩で補う。海外の人の表現力の豊かさはそのため
・雨の表現だけでも「にわか雨」「豪雨」など専用の語彙がたくさんある日本語
・日本語の正書法の緩さ:句点の位置、表記揺れ、ひらく/とじるの判断など決まりが曖昧
・フランス語は正書法が厳格。発音しないけど絶対つけなければならない活用など
・ライターとして表記が揃っていると気持ちいい。でも決めてほしいと思う複雑さ
・志賀直哉が「日本語は不完全だからフランス語を国語にしよう」と言った話
・曖昧だからこその豊かさもある。リズムや身体性を重視する日本語
・「私はスミス」と「私がスミス」の違い。新情報がどこにあるかで使い分ける
一言
当たり前に使っている日本語の奥深さ。語彙の多さと正書法の緩さが生む豊かさと煩わしさ
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