今回の本は『たとえば「自由」はリバティか』。
著者:渡辺 浩
https://www.iwanami.co.jp/book/b10146261.html
「西洋の基礎概念とその翻訳語をめぐる六つの講義」
自由、社会、自然、正義、権利、公共といった言葉が明治維新で日本に輸入された際、どのように翻訳され、どんなねじれが生まれたのか。政治思想史の専門家が、西洋思想と日本語の間に生じた誤解を解き明かす。
【話すこと】
・えなりは子供の頃からヨーロッパに憧れて西洋思想を学んできた。本を読んで、自分の理解が正しかったと確認できた気がする
・憧れのきっかけは「赤西仁」。いつの間にか「ヨーロッパ人っぽくなりたい」に変わっていた
・「目が不自由」「お金に不自由しない」という日本語の使い方。西洋では「アンフリーダム」とは言わない
・日本語の「自由」は思い通りになるという意味っぽい。西洋の「自由(リバティ)」は奴隷じゃない、解放や独立というニュアンス
・自由はもともと日本語にあった言葉。「自由(リバティ)」を輸入する時に既存の言葉を使ったから意味が混ざった
・キリスト教のフレームワークを理解しないと西洋思想は理解できないと思った
・自然(nature)も神によって作られた被造物。自然法は神が定めた法則という意味
・権利も神が全員に同じものを与えているという概念。どこにもキリスト教の神が出てくる
・日本も、多くの人が仏教的作法を身につけているように、国ごとにフレームワークとなる宗教があるのかも
・新しい言葉を作っても漢字の意味に影響される。「社会と世間」は混同されていることがわかるいい例
・漢字は表意文字だから字面から来る印象が強い。アルファベットやひらがなは表音文字
・カタカナやひらがなの方がいいのでは?でも「じゆう」と書かれても違和感があるよね
・結局は教育。正しい意味を教えるしかない。特に歴史を知ることが大事じゃないか
・科学はキリスト教的。その話から急に思い出したアニメ「チ。」
・天動説と地動説。結果を知った現代人は天動説を間違いと見るが、順番が逆だと捉え方が全然違う
・前提知識が違うだけで話が通じなくなる。時系列で理解することの重要性
・結果だけ知ればいいではダメ。AIに使われて終わる人生はリバティじゃない
一言
翻訳のねじれが生んだ誤解。歴史と前提を知らなければ、本質は理解できない
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