今回の本は『La pensée nazie』。
著者:Laurence Rees
https://editionsarpa.com/products/la-pensee-nazie
日本語に訳すと「ナチス的思想」。イギリスで出版された英語の本をフランス語に翻訳したもので、えなりがフランス語で読んだ一冊。
BBC歴史番組に関わる歴史学者が、神経心理学の観点からナチスを分析。第一次世界大戦後から時系列で追いながら、脳科学と歴史のハイブリッドな視点で描かれた本です。
【話すこと】
・脳科学が発達していないはずなのに、脳科学をハックしているような動きをしていてやばい
・ナチスは理論ではなく感覚で人間を観察し、脳の作用にクリーンヒット
・扁桃体(恐怖・不安・怒りを司る部位)への効果的なアプローチ
・「彼らと私たち」の二項対立は脳に深く根付いていて完全に取り除けない
・悪臭や腐った食べ物への嫌悪と道徳的嫌悪は同じ脳の部位(島皮質と扁桃体)が働く
・吊り橋効果も脳の同じ部位が働いている?根拠のある恋愛テクニック説
・ドーパミンは目標達成時ではなく報酬を予期する時に放出される
・旅行も計画している時が一番楽しい理由。でっかい目標を追い続けるのが幸せ
・ゲマインシャフト(血縁・地縁の共同体)を重視する感覚が本当に分からない
・ゲマインシャフトとゲゼルシャフト(利益・契約・思想の共同体)
・民族で分ける感覚がしっくりこない。共産主義のような思想で分かれる方が理解しやすい
・家族だから、血が繋がっているから、という理由づけへの違和感
・差別が生まれる理由。何もしなくても得られる所属への安心感を求めている?
・フランス語の読書筋力がついた。3ヶ月かけて読了
・日本語の面白い本がたくさんあるから楽に流れてしまう
・ゾーンに入るまでが難しい。自分でハードルを上げている
一言
脳科学を知らずに脳をハックした恐ろしさ。人間理解の深さが悪用された歴史
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