今回の本は『言語化するための小説思考』。
著者:小川 哲
http://kodansha.co.jp/book/products/0000418874
小説家・小川哲さんが、小説を書く時に何を考え、どんな風に書いているのかを言語化した一冊。
「そもそも小説って何なんだっけ」という問いから始まり、小説家の思考プロセスを解き明かしています。ライターである二人にとっても参考になる考え方が満載でした。
【話すこと】
・小川哲さんの思考。登場人物に共感したことがない、情景を思い浮かべない
・人によって全然違う小説の読み方。文字を文字として処理するか、映像として想像するか
・たかしおは完全に映像化タイプ。登場人物に感情移入して頭の中で映画を再生
・えなりは紙芝居タイプ。基本は言語処理、印象的な場面だけ静止画でイメージ
・小説家に必要な想像力とは?物語を考える力ではなく、読者に伝わるように書く想像力
・小説は読者とのコミュニケーション──赤の他人が何を知っていて、どう書けば分かるのかを想像する
・抽象化と個別化の技術。自分の体験を一段抽象化して、別のケースに個別化して物語に使う
・「これめっちゃ自分のことだ」と思える小説は、抽象化と個別化に成功している証拠かも
・本の値段の決まり方が不思議。内容に関わらず、コスト(紙代など)で値段が決まる?
・専門書が5000円でも、学者の研究内容を考えたら安すぎる。著者のクリエイティブな部分はゼロ円評価ってこと?
・デジタルなら投げ銭で価値に応じた支払いができるよね。紙の本にもQRコードとかで投げ銭システムがあってもいいのに
・印税だけでは厳しい構造。(出版に限らず)名誉や憧れがある仕事は報酬が安くなりがちだよね
・クリエイティブな仕事は中途半端が一番良くないのかも。売れるために書くか、とにかく趣味として自由に書くか
一言
小説家の思考法はライターにも使える。抽象化と個別化で、自分の体験を誰かの共感に変える
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