「僕の帽子のお話」有島武郎(前編)
(あらすじ)
お父さんが東京から買って来て下さった上等な帽子。僕は手に持って寝るくらい大切にしていました。
今夜もぴかぴか光る帽子の庇(ひさし)をつまんで寝たはずだったのですが、眼を覚ましたとき、帽子がなくなっていたのです。
あちこち探したり、持つのを忘れたのかな、と考えたり…。
そして「中の口」に置き忘れたに違いないと思って行ってみましたが、ありません。
帽子はなんと中の口の格子戸に挟まっていて、格子戸が開くと、帽子は転がり出て行ったのです!…
〈ミニ辞典〉
・らしゃ=けば立った厚手の毛織物
・御機嫌よう=あいさつの言葉。ここでは「おやすみなさい」
・読本(とくほん)=読み物の本、国語の教科書
・中の口(なかのくち)=屋敷の玄関と台所の間にある出入口
・あきま=すきま
・天水桶(てんすいおけ)=防火用に雨水を貯えておく桶
・徽章(きしょう)=帽子や衣服に付けるバッジ
1922(大正11)年6月『一房の葡萄』(叢文閣)に収められた童話
https://www.aozora.gr.jp/cards/000025/files/203_20492.html
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